2015 Fiscal Year Research-status Report
健常人および血液疾患患者における免疫老化細胞Tsenの検討
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25461455
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 裕子 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80406941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浄 慶應義塾大学, その他の研究科, 准教授 (00433714)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 免疫老化 / Eomesdermin / PD-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト免疫老化細胞(HuTsen)に関する検討を行なっている。 1)健常人について 今回の期間では、前回の研究期間に指摘した、Eomesdermin以外の転写因子に関して、検討を行なった。Eomes以外では、mRNA、核内染色などでも、特徴的に上昇しているものはなく、これが、この細胞の形成に強く関係していると推測した。 また、細胞老化と関係する分子を多種調べたが、細胞老化と特に関係する、cebpbは、PD-1陽性でも陰性でも、大きな差はなく、細胞老化自体は、PD-1陽性で特別に進行するわけではないことがわかった。 2)血液疾患について 今回の期間では、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫など、症例数を増やしての検討を行なった。症例によっては、HuTsenが増加、また、表面形質の変化(CD30Lの出現、CD4,8両者陽性とか)が認められ、ヒト免疫老化細胞は、マウス免疫老化細胞と同様に、発ガンになんらかの関係がある事が想定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常人の解析は一端、終了とする。 現在、血液疾患の解析が遅れている。 平成26年度、27年度と、かなりの長期間に渡って、血液内科での、多剤耐性腸球菌(VRE)の発生のために、入院患者の受け入れ制限があり、血液疾患の新規症例の解析が難しかった。 マウスで検討した以外の血液疾患も解析できるように、研究計画書を改正し、検討を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)血液疾患では、発症時に、この細胞の比率が、非常に高いものもあるし、健常人と変わらない症例もある。治療による臨床経過とともに、この細胞の比率がどのように変化していくか、検討中である。 2)健常人の解析結果は、現在、投稿準備中である。 3)健常人に関しては、PD-1の発現機序を観察するために、骨髄移植症例などの、造血に一度リセットがかかった状態でどのように変化するかを解析予定。 4)また、現在PD-1抗体が発売されており、使用患者でのこの細胞のプロファイルがどのように変化するかを回帰予定。
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Causes of Carryover |
1)血液疾患患者の解析が遅れたために、抗体などの消耗品の残金が生じた。 2)また、健常人での投稿が遅れている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)抗体など消耗品の購入にあてる予定。 2)健常人のまとめを、現在、投稿中である。これらの投稿経費として、使用する予定。
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