2013 Fiscal Year Research-status Report
造血幹細胞移植後の致死的疾患である血栓性微小血管障害症の新規診断法と治療法の開発
Project/Area Number |
25461456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松本 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60316081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 正樹 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30516729)
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80118033)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 造血幹細胞移植 / TMA |
Research Abstract |
造血幹細胞移植後の微小血管障害症(TMA)の症例集積を行った。日本全国の医療機関から解析依頼のあった移植後TMAは7例であったが、これらの症例は1ポイントのみの解析となるため、院内の移植症例では移植前から検体保存を行った。すなわち、院内の症例はTMA発症の有無にかかわらず、移植前から検体保存を行い、継続して検体保存を行った。 院内の移植患者の経時的な血漿を用いて、von Willebrand 因子(VWF)マルチマー解析を行った。その結果、血管内皮細胞から分泌直後のVWFである超巨大分子量VWFマルチマー(UL-VWFM)が、移植細胞の生着時期には必ず認められた。また、院内症例の移植後TMAの発症は1例のみであるが、発症前にUL-VWFMが出現し、TMA発症時には高分子量のVWFが欠損することを観察した。VWF切断酵素であるADAMTS13活性は、30%前後の軽度の低下であり、VWFの変化はADAMTS13によるものより、血管内皮障害によるものと考えられた。 血管内皮細胞の障害程度を確認するため、フローサイトメトリーで末梢血中に流れている内皮細胞の検出方法を検討中である。まず、健常人で方法を確立し、その後移植患者で測定し、最終的にTMA患者などで内皮細胞障害が強い時に細胞数が増えているかどうかを確認する予定である。 移植後TMAでは、有効な治療法が確立されていないが、新たに治療薬として、遺伝子組換えトロンボモジュリン(rTM)が注目されている。実際の症例で、rTMの投与により血小板輸血による血小板数増加が改善することを確認した。また、健常人の多血小板血漿を用いた高ずり応力下の血小板凝集が、rTMを加えることで抑制されることを明らかにした。rTMの血小板とVWFに対する効果を確認するため、TMの様々なドメインを発現させて、どのドメインがこの抑制効果が強いかを確認し、rTMとVWF結合部位を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の集積を行い、VWFマルチマー解析は順調に実行している。新規の実験系はおおむね予定通りの進行状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
症例の集積やVWFマルチマー解析は、現在の状況で進行させる。フローサイトメトリーや発現実験など新規の実験系は、計画に従って進めて行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
間接経費として使用予定であったが、予定額より下回ったため、次年度に繰り越した。 消耗品費として使用する予定
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Analysis of genetic and predisposing factors in Japanese patients with atypical hemolytic uremic syndrome.2013
Author(s)
Fan X, Yoshida Y, Honda S, Matsumoto M, Sawada Y, Hattori M, Hisanaga S, Hiwa R, Nakamura F, Tomomori M, Miyagawa S, Fujimaru R, Yamada H, Sawai T, Ikeda Y, Iwata N, Uemura O, Matsukuma E, Aizawa Y, Harada H, Wada H, Ishikawa E, Ashida A, Nangaku M, Miyata T, Fujimura Y.
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Journal Title
Mol Immunol
Volume: 54
Pages: 238-246
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Long term follow up of congenital thrombotic thrombocytopenic purpura (Upshaw-Schulman syndrome) on hemodialysis for 19 years: a case report.2013
Author(s)
Mise K, Ubara Y, Matsumoto M, Sumida K, Hiramatsu R, Hasegawa E, Yamanouchi M, Hayami N, Suwabe T, Hoshino J, Sawa N, Ohashi K, Kokame K, Miyata T, Fujimura Y, Takaichi K.
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Journal Title
BMC Nephrol.
Volume: 14
Pages: 156
DOI
Peer Reviewed
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