2014 Fiscal Year Research-status Report
尿中SAAフラグメント測定による反応性アミロイドーシスの診断と治療効果の判定
Project/Area Number |
25461471
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
黒田 毅 新潟大学, 保健管理本部, 准教授 (00372475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中枝 武司 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20464000)
和田 庸子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30608534)
山田 俊幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (50211636)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アミロイドーシス / 関節リウマチ / 血清アミロイドA蛋白 / 尿沈渣 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(RA)において胃十二指腸粘膜生検でアミロイドを検出した症例の尿沈渣を可溶化して抗血清アミロイドA(SAA) 抗体(Common(76残基)サイズのアミロイドA(AA76)に反応)によるイムノブロットを行い、SAA 分解産物の有無と分子サイズを検討した。検討では16例中9例(56.3%)で重合しアミロイドタンパクとなるAA76サイズのアミロイド蛋白が含まれていた。AA76が検出されなかった症例のうち2症例はRAの治療として生物学的製剤が使用されていた。またRAで胃十二指腸粘膜生検でアミロイドを検出されなかった5症例では全例AA76は検出されなかった(0%)。 これらの症例の尿沈渣のサイトスポットを作成し光学顕微鏡で検討した。尿沈渣のイムノブロット陽性者において、尿沈渣のサイトスポット中にCongo-red染色が陽性の粒子が観察され偏光顕微鏡で観察すると、複屈折によりアップルグリーンを呈しアミロイドが確認された。Western blotでAA76が検出された症例で二重染色で抗SAA抗体陽性の粒子と腎組織の表面マーカー(ポドカリキシン、メガリン、アクアポリン1、アクアポリン2、TAL)との関係を検討した。症例によって抗SAA抗体陽性の粒子と検出される表面マーカーは違うがアッセイ系は安定しているため更なる症例の集積により非侵襲による質的診断が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イムノブロット、尿沈渣のCongo-red染色、サイトスポットを作成後の抗血清アミロイドA抗体と腎組織の表面マーカー(ポドカリキシン、メガリン、アクアポリン1、アクアポリン2、TAL)との二重染色などのアッセイ系は安定して行われている。症例の集積が近年の関節リウマチ治療の進歩により若干遅れているが、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
症例を増やして同様の検討を続けるが、尿中のアミロイド蛋白がすべての症例で検出されないことが問題である。関節リウマチの治療の一つある生物学的製剤の治療で検出されなくなる可能性も示唆されるが今後の症例の集積が必要である。また、沈渣と腎生検の関係は今後必須となるため、腎生検症例の生検時の尿を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
実験条件を決めるために繰り返し実験を行ったため、抗体をはじめとする試薬代が多く必要となった。また本研究の尿中のアミロイドの検出率が予測よりも低かったため、感度を上げるために尿の上清に免疫沈降を行ない抗原の濃縮を試みた。このため抗体や増感バッファーなど当初考えていなかった出費が生じ経費が多く必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験条件に関しては、ほぼ固まったため、次年度は本年度に比べて経費の削減が可能であると考えられる。
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