2015 Fiscal Year Annual Research Report
腎炎発症モデル抗DNA抗体遺伝子ノックイン・マウスへの特異的治療アプローチ
Project/Area Number |
25461473
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉藤 元 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20422975)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膠原病学 |
Outline of Annual Research Achievements |
自ら開発したSLE動物モデルである「抗DNA抗体遺伝子ノックイン・マウス」はB6バックグラウンドであったのでBalb/cバックグラウンドに改変した。本研究では、これらのSLE動物モデルにおいて「自己抗体産生B細胞」がどのように制御されているかを解析した。 前々年度に「抗DNA抗体遺伝子ノックイン・マウス」にエストロゲンを投与し、脾臓のB細胞分画を調べたところ、自己反応性B細胞と関係が深い辺縁型B細胞の割合が増えるということを見出した。前年度は、抗DNA抗体産生B細胞のマウス体内での動態を知るために、Balb/cバックグラウンド(アロタイプa)の野生型マウスと、B6バックグラウンド(アロタイプb)の「抗DNA抗体遺伝子ノックイン・マウス」を交配したWT(a)/R4A(b)-F1マウスを作製した。このマウスでは、Balb/c野生型マウス由来のB細胞を抗IgM(a)抗体で、抗DNA抗体産生B細胞を抗IgM(b)抗体で識別できる。WT(a)/R4A(b)-F1マウスの脾B細胞をフローサイトメトリーで解析したところ、IgM(b)陽性細胞(抗DNA抗体産生B細胞)が著減していた。今年度は、WT(a)/R4A(b)-F1マウスにおけるIgM(b)陽性細胞(抗DNA抗体産生B細胞)の発現分子を解析した。IgM(b)陽性細胞ではRAG-1, 2 mRNA発現量がIgM(a)陽性細胞に比べて著明に亢進していた。一方、IgM(b)陽性細胞表面のIgD蛋白は発現が亢進していた。 IgM(a)陽性細胞のRAG-1, 2発現が亢進していたことは、自己反応性細胞において免疫グロブリン軽鎖のeditingが活発になっていることを示唆し、その結果IgD陽性細胞に成熟して生き延びると考えられた。本モデルによりB細胞が排除またはrescueされるメカニズムの一端を明らかにした。
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