2014 Fiscal Year Research-status Report
IgG4関連疾患はMALTリンパ腫の発症原因になり得る
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25461496
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
瀧澤 淳 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70463990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾山 徳秀 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (10600489)
曽根 博仁 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30312846)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MALTリンパ腫 / 眼窩MALTリンパ腫 / IgG4関連疾患 / MALT1遺伝子 / MYD88遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
MALTリンパ腫発症に対するIgG4関連疾患の関わりを明らかにするために、1998年から2013年の過去16年間に当科で診断した新規MALTリンパ腫65例について後方視的に臨床病理学的検討を行った。血清igG4値を検討した52例中15例(29%)はI組織学的にもIgG4陽性形質細胞比が40%以上であり、gG4関連疾患の診断基準を満たした。特に眼窩病変(13例/36例:36%)と肺病変(2例/5例:40%)を有する症例はIgG4関連疾患の定義を満たす症例の頻度が多かった。20例(多発性:2例、眼窩:13例、唾液腺:2例、肺・胃・直腸各1例)についてFISH解析によりMALT1遺伝子転座を調べたが、全例陰性であった。54例の予後把握が可能であったが、診断から観察期間:5~180ヶ月(中央値:56.5ヶ月)における5年全生存率は96.2%であり、死亡した1例はリンパ腫発症前から合併していた腎癌の悪化によるものであった。22例は無治療経過観察が行われ、32例に治療(照射単独(Rx):22例、化学療法:7例、両者併用(CMT):3例)が行われた。初回Rx治療でPDであった1例を除く奏効31例の5年PFS=82.1%(1~175ヶ月:中央値48ヶ月)であった。Rx例においてIgG4関連疾患の定義を満たす4例の5年PFSは33.3%であり、定義を満たさない17例のPFS 100%に比べ不良であった(Log Rank p=0.012)。これらの結果は2014年6月に行われた第54回日本リンパ網内系学会総会において優秀演題口演に選択され発表した。 IgG4関連疾患を背景として発症するMALTリンパ腫の分子病態を明らかにするため、新潟大学遺伝子倫理審査委員会の承認を得て、現在、MYD88遺伝子の変異解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MYD88変異解析は共同研究機関であるLSIメディエンスに委託して行っているが、検査方法の確立に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
MYD88変異解析について変異が高頻度であるリンパ形質細胞リンパ腫6例で検討し5例(83%)に変異が確認され、検査方法については確立されたものと判断している。今後、IgG4関連疾患の定義を満たすMALTリンパ腫例と、そうでないMALTリンパ腫例の両者について変異の頻度に差がないか検討する予定である。
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Causes of Carryover |
MALTリンパ腫症例におけるMYD88変異解析が少数しか行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
MALTリンパ腫多数例についてMYD88変異解析を行う。
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Research Products
(3 results)