2015 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおけるヒトパピローマウイルス遺伝子型・亜型の分布と癌化リスクの解明
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25461509
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| Research Institution | Kanazawa University |
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Principal Investigator |
市村 宏 金沢大学, 医学系, 教授 (10264756)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹川 寿之 金沢医科大学, 医学部, 教授 (30272975)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | ヒトパピローマウイルス / 分子疫学 / HPV関連がん / ベトナム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アジアの国々におけるヒトパピローマウイルス（HPV）遺伝子型・亜型の分布とがん化リスクの解明を目的としている。ベトナムの子宮頚癌患者の89.4％にHPV DNAが検出された。HPV16/18が子宮頚癌患者の94.6％に検出されたが、HPV52型は4.8％のみであった。HPV16 E6/E7非ヨーロッパ・アジア亞型は子宮頸癌患者で正常細胞診女性に比し、高い傾向があった（p = 0.07）。子宮頸癌患者では正常細胞診女性に比し、HPV16 E6遺伝子の94番目とE7遺伝子の647番目と666番目の塩基でAがGに比べ有意に高率に、またE7遺伝子の846番目の塩基でTがCに比べ有意に高率に検出された。
子宮頸癌以外のHPV関連がん124例（膣がん20例、外陰がん50例、陰茎がん54例）では81.5%（膣がん16例、外陰がん42例、陰茎がん43例）にHPV DNAが検出され、その85.1%にHPV16/18が検出されたが、HPV52型は5.0％のみであった。HPV16 E6/E7非ヨーロッパ・アジア亞型がHPV関連がんで正常細胞診女性に比し、有意に高率であった（p<0.07）。子宮頸癌と同様に正常細胞診女性に比し、HPV16 E6遺伝子の94番目と178番目、E7遺伝子の647番目と666番目の塩基でAがGに比べ有意に高率に、またE7遺伝子の846番目の塩基でTがCに比べ有意に高率に検出された。
これらの結果から、ベトナムでは、子宮頚部細胞診正常者間で流行しているHPV株と子宮頚癌、膣癌、外陰癌、陰茎癌患者でみられるHPV株の遺伝子型が異なること、HPV16/HPV18を対象とした現行ワクチンが約95％の子宮頚癌予防に、また約85％のHPV関連がん予防に有用であること、そして子宮頚癌を含むHPV16関連癌の発症過程にAPOBEC3ファミリーが関与している可能性が示唆された。
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