2013 Fiscal Year Research-status Report
A群連鎖球菌保有各種病原因子による免疫応答解析に基づくDNAワクチン作製基礎研究
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25461519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
新井 和明 北里大学, 付置研究所, その他 (30547386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 孝 北里大学, その他の研究科, 教授 (00292855)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | データベース / 膣分泌物 / Penicillin系薬耐性 / Telithromycin耐性誘導 / 国際情報交換 / 韓国 |
Research Abstract |
A群溶血性連鎖球菌(A群溶連菌)臨床分離株の収集が2013年8月に終了し、2,708株を収集した。詳細は産婦人科、泌尿器科の検体から250株、小児科、耳鼻咽喉科等の検体から2,297株、外科、皮膚科領域の検体から161株である。そしてそのデータベース化を進めてきた。その基礎となる毎月平均約1.2千件の検体のデータから知見を得た。従来、A群溶連菌感染咽頭炎は小児科が多い。今回、産婦人科、泌尿器科の検体である膣分泌物、尿からの分離株数は咽頭ぬぐい液、扁桃陰窩ぬぐい液からの分離株数の1/2から1/3であり、少なくない事が判明した。これは研究目的である5類感染症、小児科定点の年間15から27万に及ぶA群溶連菌咽頭炎の原因として母子垂直感染が示唆された。 A群溶連菌にPenicillin系薬耐性はないと思われて、一部のPenicilin系薬に耐性の株が見られた。保存株ではErythromycinがTelithromycinの耐性を誘導する評価法について検討した。(第62回日本化学療法学会、第88回日本感染症学会合同学会、平成26年6月18日~20日、福岡、発表予定) また韓国と共同研究を行っており、韓国で分離されたMacrolide耐性A群溶連菌株と本邦分離株の比較を行い、論文作成が決まっている。そして東北大学との共同研究で急性中耳炎の患者から分離されたA群溶連菌について解析を行った。(Tohoku J. Exp. Med., 2014, 232, 301-304) ヒトCD46トランスジェニックマウスに接種したM1型(emm1)劇症型A群溶連生菌の免疫応答として、Interleukin-1βの発現を見出した。(J. of Exp and Clin. Med., 2013;5(6):227-230)これはMi型A群溶連菌の持つ病原因子とその免疫応答を解析する上で重要と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
25年度研究計画では2,708株におよぶA群溶血性連鎖球菌の収集株数が多く、検体採取日、受付日、個人情報保護の見地からのイニシァライズ化、性別、年齢、検体の由来、薬剤感受性検査成績(抗菌薬数97種類)など多項目の入力に時間を費やした。しかしデータベース化については当初の計画通り終了することが出来た。そのため収集した菌株の病原因子関連遺伝子、付着因子関連遺伝子等約25種類の網羅的解析をについては十分に検討することは出来なかったが、入力したデータベースの解析から幾つかの知見を得た。また一度に多量の遺伝子解析の方法を検討中であり、これは次年度に繋がる。目的であるA群溶連菌の免疫応答解析に基づくワクチン開発の基礎に繋がる重要な事と考える。 また25年度は26年度研究計画実施に向けての準備期間でもあり、機器や関連消耗品の準備は整った。 感染実験はM1蛋白(emm遺伝子)をもつ劇症型A群溶血性連鎖球菌のマウスへの接種だけであったが、他のサブタイプのA群溶連菌についても行っていく。また韓国との国際研究者交流は当機関に送付されたA群溶連菌株についても最小発育阻止濃度(MIC)測定を行い、本邦との比較が出来たことは喜ばしい事と考える。またその株も保存株に加え病原因子関連蛋白や付着因子関連蛋白の解析の対象とする。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から継続あるいは新規に行う研究項目として、 1) 産婦人科等の検体から分離されたA群溶連菌250株の病原因子関連蛋白遺伝子、付着因子関連蛋白遺伝子の解析が必要であろう。現在、多量の遺伝子解析を行うための方法、機器の開発も視野に入れ行う。その際、同時にエピジェネティクス解析を行い、メチル化、ヒストン修飾のA群溶連菌のDNA塩基配列上の位置を限定する。 2) 産婦人科領域からの検体に対し小児科それも新生児、乳幼児の咽頭ぬぐい液から分離された同菌株を比較の対象として1) と同様に解析することが重要であると考える。 3) 各種病原因子、付着因子を持つA群溶連菌を選抜、類型化し、多数の蛋白を精製する計画である。イオンクロマト法、ゲルろ過法、等電点電気泳動法を組み合わせて精製を行い単離する。 4) 各種精製蛋白や各種病原因子保有A群溶連菌生菌を単独あるいは組み合わせて培養細胞に接種し、それぞれの免疫応答をフローサイトメトリーにて確認する。 5)同様に精製蛋白、A群溶連菌生菌をマウスに接種し各種臓器でのサイトカイン等の発現をフローサイトメトリーにて確認する。 以上の解析結果に基づき病原因子関連遺伝子や付着関連遺伝子を選抜し、DNA遺伝子構造の中にCpGモチーフ導入し、マウスに接種し、その後溶連菌を感染させワクチンの予防効果をみる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に購入予定であった高額な設備備品である低圧クロマトグラフィー一式が機能的にも同等と言うことで、当初考えていたメーカーから別のメーカーに変わってしまったが、ちょうどそのメーカーがキャンペーンを実施する情報を入手したため、少し遅くなったが、予算よりかなり低額で購入できたこと。その他の試薬や消耗品を注文する際、ディーラーから見積もりを複数とり、少しでも無駄なく予算を執行するためその中で一番低額な見積もりを出した所に決めた。 収集したA群溶連菌株数がかなり多くなったため、その増加分の解析に充てることになる。また次年度の研究計画の中心になるが、免疫応答を見るための方法であるフローサイトメトリーに使用する高額であるが重要な試薬の購入を予定している。それに使用する。
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Research Products
(4 results)