2014 Fiscal Year Research-status Report
海外から持ち込まれる多剤耐性菌の感染制御体制の構築
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25461522
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
水野 泰孝 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80287292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 哲哉 東京医科大学, 医学部, 教授 (10256688)
山口 哲央 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (10408239)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 輸入感染症 / 多剤耐性菌 / 渡航関連感染症 / サーベイランス / 医療関連感染対策 / 国際情報交換 / シンガポール |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までは海外に6か月以上滞在して帰国した渡航者を対象に多剤耐性菌の検出状況を調査してきた。今年度は渡航後だけではなく、海外に6か月以上滞在する予定のある者に対する検体採取を行い、渡航前のコントロールとした。コントロールとして登録した渡航者が6か月以降に帰国した際に再度検体の採取を行い、海外滞在によりどの程度多剤耐性菌の曝露を受けるのか検討中である。 現在までのところ、渡航前と渡航後の両方で検体の採取が可能であった渡航者は39名で、渡航先はアジア19名、中東7名、アフリカ6名などと全世界に分布していた。渡航前にすでに多剤耐性菌が検出されていたのは7名で、5名は渡航後も同菌の検出が認められた。渡航前に多剤耐性菌の検出がなかったのは32名で、17名は渡航後も検出がなかったが、15名は渡航により多剤耐性菌の感染が確認された。現地での感染が疑われた事例の割合はアジア地域が47.4%、中東地域が42.9%、アフリカ地域が50%であり。中米、北米、欧州での感染は認めなかった。これまでの研究成果については日本感染症学会、アジア太平洋渡航医学会、米国微生物・化学療法学会等で公表を行った。また多剤耐性菌に関する共同研究の打ち合わせとしてシンガポールのTan Tock Seng病院を訪問した。 最終年度はコントロールとして採取した被験者が帰国する時期となり、渡航前後での検体がさらに増える予定であり、最終的に考察を加え、論文化する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
渡航前に検体を採取した被験者の帰国状況により検体数が決まってくるために、最終的に解析可能な検体数がどの程度になるのかは不明確であることは否めないが、着実に検体数は増加しており、今後の収集状況を期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までのところ、渡航前と渡航後の両方で検体の採取が可能であった渡航者は39名であり、今年度はさらなる増加が期待される。渡航前の検体採取は今年度で終了としたので、最終年度の間に得られた検体数をもとに解析を行い、学会発表および論文発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた検体数に達しておらず、必要とされた試薬等の購入を行うことがなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
さらなる検体数の増加見込みは期待できないため、これまでの検体数で解析を進め、学会発表および論文発表のための費用に充てる予定である。
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