2014 Fiscal Year Research-status Report
日本人自閉症の全ゲノムコピー数多型を用いた疾患感受性遺伝子の同定
Project/Area Number |
25461531
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 大介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60516681)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | コピー数多型 / 自閉症スペクトラム障害 / マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム障害は、「対人関係障害」、「コミュニケーション障害」、「常同的・反復的な行動等」の特徴を持つ発達障害で小児約68人に1人の割合で発症し近年世界的に増加傾向である。改善はあっても完治せず、家族への負担が大きく社会的に深刻な問題となっている。 これまで国内、海外開催の自閉症スペクトラム障害と関連ある研究会や学会等に積極的に参加し、小児精神分野の臨床医や研究者との交流をはかり、共同研究へ発展させるべく人脈構築に励んでいる。また、学会でシンポジウム講演や研究内容の発表、紹介を行ったり、大学の臨床教室や研究機関等でもセミナー発表を行い、人脈構築、共同研究発展へと努力している。当初は網羅的に自閉症スペクトラム障害をマイクロアレイ解析を考えていたが、近年、診断基準が大幅に変更となり、サンプル収集に混乱を生じている。また、自閉症スペクトラム障害は症状が非常に多彩であり、網羅的な解析は困難であることが判明し、今後はある一定の共通した臨床症状を有する症例や臨床的に非常に稀な特徴を示す症例に焦点を絞り解析するべきであると考えている。 また、自閉症スペクトラム障害は約7割程度、精神発達遅滞を合併し、これまで両者で同一の原因遺伝子が数多く報告されていることから精神発達遅滞症例も合わせて解析していきたい。その他、家系内に自閉症スペクトラム障害や統合失調症や注意欠如、多動障害等の精神疾患を数多く有する家系などを探している。そのような精神疾患が複数有する大家系が判明したらサンプルを収集しマイクロアレイ、エクソーム解析等を用いて感受性遺伝子同定を目指したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究当初は網羅的に自閉症スペクトラム障害のマイクロアレイ解析を考えていたが、自閉症スペクトラム障害は、症状が非常に多彩であるため、解析が困難であることが判明したため。国内の大規模に自閉症スペクトラム障害症例のDNA検体を有する研究施設から研究協力が得られていない。また、近年、肝心の自閉症スペクトラム障害の診断基準が大幅に変更となり、サンプル収集に混乱を生じているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
自閉症スペクトラム障害は症状が非常に多彩であり、今後は網羅的な解析は困難であり、ある一定の共通した臨床症状を有する症例や臨床的に非常に稀な特徴を示す症例に焦点を絞り解析するべきであると考えている。例えば共通の眼球運動を有する症例や極端にIQが低い症例や同様のてんかん症状を有する症例などを中心に考えている。 また、精神発達遅滞と自閉症スペクトラム障害の多くの原因遺伝子は同じであるので、精神発達遅滞症例も合わせて解析していきたい。その他、家系内に自閉症スペクトラム障害や統合失調症やADHD(注意欠如、多動障害)等の精神疾患を数多く有する家系などを探し、そのような家系が見つかったらマイクロアレイ、エクソーム解析等を用いて感受性遺伝子同定を目指したい。また、近年、自閉症スペクトラム障害の診断基準が大幅に変更となり、サンプル収集で混乱を生じているが今後も引き続き研究を継続していきたい。サンプル収集において、国内の他の研究施設と共同で研究を行っていきたい。
|
Causes of Carryover |
サンプル収集に時間がかかっているため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要物品等を購入するなど研究環境を整え、適正に使用していきたい。 また、共同研究へとつなげるべく、積極的に関連ある学会、セミナー等に参加して行きたい。
|