2014 Fiscal Year Research-status Report
トリオ検体におけるアレイCGH法を用いた、ウエスト症候群の原因遺伝子検索
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25461536
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福與 なおみ 東北大学, 大学病院, 助教 (90400366)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウエスト症候群 / infantile spasms / アレイCGH / トリオサンプル |
Outline of Annual Research Achievements |
ウエスト症候群は乳児期に発症しepileptic spasm、脳波上のhypsarrythmia、重度の精神運動発達遅滞を特徴とする難治てんかんで、その遺伝学的背景の大部分は不明である。申請者はGバンド法により染色体異常症(Smith-Magenis症候群)があきらかになった小奇形を伴うウエスト症候群の症例を初めて報告し(Journal of Child meurology:24:868-873, 2009)、原因不明の潜因性ウエスト症候群に小奇形を伴う症例が多いことに着目した。小奇形と精神遅滞を伴うことは、染色体異常の存在を示唆する現象であるが、通常のGバンド法で染色体異常が検出されることは希である。そこで、微細ゲノムコピー数異常の検出に有効であるマイクロアレイCGH法を用いて、遺伝子のゲノムコピー数異常のスクリーニングを行ってきた。さらに全例が弧発例であることに着目すると、患児に存在し、罹患していないその両親には存在しないde novoのコピー数異常領域における遺伝子群を解析することにより、ウエスト症候群の疾患感受性遺伝子の検索が可能となる。 本研究は、ウエスト症候群の疾患感受性遺伝子を新たに同定し、病態発症のメカニズムを解明することを目的としている。 すでに倫理委員会で本研究の承諾を得ている当院および県内外の関連病院の小児神経科の協力を得て平成25年度に収集した32症例に加えて、2症例のトリオサンプル(患者本人とその両親)を該当年度に収集した。同意を得た患児およびその両親の末梢血約5~7mlまたは唾液を専用の試験管に採取して、当院当科で末梢血または唾液よりDNA抽出して保存した。収集した検体34症例の全例の症例において、アレイCGH法により、全染色体を対象にしてゲノムDNAの過剰、欠失、増幅などのコピー数異常の検出を行った。その結果、稀なコピー数異常を7症例に認めた。このうち4つのコピー数異常は、病的なものと推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
弧発の潜因性ウエスト症候群患者とその両親のトリオ検体を対象とした、マイクロアレイCGH法によるゲノムコピー数の異常を持つ特定領域の検出は、収集した34症例すべて解析が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、検出したde novoのコピー数異常の領域の遺伝子群を検索し、候補となり得る遺伝子のリストの作成を行う。最終的には、収集した他のウエスト症候群において、候補となり得る遺伝子のHRM法によるスクリーニングを行う。
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Causes of Carryover |
該当年度はおおむね順調に研究がすすんだが、若干のあまりがでた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の解析に用いる。
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Research Products
(1 results)