2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new treatment for child patients with fine motor disability using magnetic sensors
Project/Area Number |
25461538
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大戸 達之 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60344892)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎園 崇 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30644314)
宮本 信也 筑波大学, 人間系(副学長), 副学長 (60251005)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 発達障害 / 注意欠如多動症 / 発達性協調運動症 / 手指巧緻機能 / メチルフェニデート / 指対立試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児における手指巧緻機能の発達について、6歳から12歳までの小児正常ボランティアに対して磁気センサ型指タッピング装置を用いた指対立試験(左右母指・示指のタッピング運動)の計測を行い、前年度までに定型発達の正常値(タッピングの回数、速度、加速度、左右の協調性)を確立させた。今年度は、小児発達障害児において検討を行った。対象は当院に通院し、発達障害(注意欠如多動症:ADHD)と診断され、ADHDの治療薬であるメチルフェニデートもしくはアトモキセチンによる薬物療法がなされている小児20例(6歳から12歳)である(自閉スペクトラム症の併存は問わない)。発達障害の診断は、小児神経学会専門医2名によりDSM-IVの診断基準を満たすことを必須条件とした。また明らかな脳器質病変(片側の脳梗塞など)を有する者は除外している。メチルフェニデートは服薬後12時間でその薬効が消失することから、服用日と非服用日で比較検討することが可能なため、計測は服用日と非服用日の計2回を同一被検者に行った。発達障害児においては、非服用日はタッピング回数および左右の協調性が定型発達児よりも稚拙である傾向がみられた。また、服用日ではこれらの値が正常値に回復する症例も認められた。ADHDを有する小児の中には、手先の不器用さに悩む児も多いが、今回の検討では、多動・衝動性、不注意をターゲットとしたメチルフェニデートの服用により、手指巧緻機能の改善が得られることが示唆され、発達障害児における新たな治療戦略の選択肢の一つになり得ると考えられた。
|