2013 Fiscal Year Research-status Report
ライソゾーム病におけるオートファジーの病態解明と治療薬スクリーング法の開発研究
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25461543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 規夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30314313)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロセッシング / シャペロン / ライソゾーム酵素 / クラッベ病 / オートファジー |
Research Abstract |
ライソゾーム病の中で、本年はゴーシェ病、ファブリー病、Tay-Sachs病、異染性白質ジストロフィーの皮膚線維芽細胞を用いて、オートファジー、マイトファジーの状態を調べるために、通常の培養条件とともに42度の高温状態で数日間培養したときの、各疾患の細胞ごとにマーカー蛋白の動きを調べた。高温状態では24時間頃にオートファジーの亢進を認める細胞が多かったが、その程度は様々であった。また3日以上の培養ではかえってその傾向はわかりにくくなることが判明した。 またクラッベ病においては、日本人における高頻度変異の発現実験を行ない、変異の重症度と酵素蛋白質のプロセッシングの効率に大きな関係があることを見いだして、これを報告した。また、この発現実験においていくつかのシャペロン候補物質を負荷して、そのプロセッシングに与える影響を解析した。これにより、若年発症に寄与すると考えられる残存活性の高い変異に対して、特にシャペロン効果として、酵素活性の上昇、プロセッシングの効率化が観察された。 今後はこれらの観察を更に多くの疾患に広げて観察し、ライソゾーム病の中でそれぞれの疾患の特徴を明らかにし、またクラッベ病、I-cell病に対する治療開発を行なって行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オートファジー解析は実験条件の最適化に時間がかかり、対象疾患が十分でない面があるが、ある程度の目安はついたと考えられる。またクラッベ病のシャペロン効果については2種類の薬剤の効果が確認でき、当初の予定より早めである。
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Strategy for Future Research Activity |
更に多くのライソゾーム疾患の細胞を用いて、オートファジー、マイトファジーの解析をすすめることと、クラッベ病についてはシャペロンの効果について更に詳しく解析をすすめたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた培養液などの試薬の消費が実験の遅れから遅かったため、次年度に使用することとした。 次年度の前記に培養液などの消耗品として使用予定
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Research Products
(5 results)