2015 Fiscal Year Annual Research Report
ライソゾーム病におけるオートファジーの病態解明と治療薬スクリーング法の開発研究
Project/Area Number |
25461543
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 規夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30314313)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クラッベ病 / ガラクトシアリドーシス / ファブリー病 / オートファジー / シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
ライソゾーム病は希少難病であり、酵素補充療法、造血幹細胞移植などが応用されているが、その治療は患者への負担も大きく、またその効果も充分ではない。われわれの研究は、細胞レベルでライソゾーム病の病態を現代的なオートファジー、マイトファジー、ミトコンドリア機能などを含めて解析し、様々な薬剤投与によるその表現型の改善を解析して、新規薬剤のスクリーニング系の確立を目指した。 本研究期間中には、疾患としてクラッベ病、ガラクトシアリドーシス、ファブリー病を取り上げて、細胞レベルでの解析を行った。クラッベ病においてはCOS細胞に種々の変異タンパクを発現させて、その変異タンパクの酵素活性、熱安定性を解析し、シャペロン候補物質としてあげられているNOEVを付加することにより、細胞内での搬送の効率がどう変化するか、また変異ごとの効果がどうなっているかについて解析して報告した。またガラクトシアリドーシスについてはCTSA遺伝子の変化により2つの酵素活性が低下することが知られており、患者細胞にNOEVを付加することにより、その片方の酵素βgalactosidaseの酵素活性の上昇を見ることを確認し、報告した。ファブリー病においては疾患の症状として重要な不整脈剤としてのアミオダロンがライソゾーム酵素の運搬にたいする影響を患者細胞において確認し、細胞外からの酵素の取り込み効率にも影響することを確認した。 これらのデータは、ライソゾーム病に対する治療として、欠損している酵素を補充することにも、様々な問題があり、酵素補充以外にシャペロンなど低分子薬剤の開発が有効であることを示すことになった。
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Research Products
(3 results)