2015 Fiscal Year Annual Research Report
Mfsd2遺伝子ノックアウトマウスにおけるエネルギー代謝特性の解明
Project/Area Number |
25461556
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
澤田 浩武 宮崎大学, 医学部, 講師 (40332895)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盛武 浩 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40336300)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | Mfsd2 / ノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
胎盤特異的に発現し、胎盤形成、胎児栄養に関与しているSyncitin-2の受容体であるMfsd2 (Major facilitator superfamily domain containing 2) は、肝臓、脂肪組織、消化管にも発現しており、エネルギー恒常性維持に重要な役割を果たしていることが示唆される。本研究はMfsd2 KOマウスの解析を通じて、Syncitin-2/ Mfsd2システムのエネルギー代謝調節における役割を解明することを目的とし、以下の研究を行った。 ① Mfsd2の発現部位と成長に伴う発現量の検討:Mfsd2は肝および脳に発現していた。成長に伴う発現量に有意差はなかったが、肝臓においては、空腹時に発現量が増えていた。 ② Mfsd2 KOマウスの発育特性は、野生型(WT)マウスと同条件下、自由摂餌で成育したところ、出生時体長がKOマウスで有意に小さく、生後6週齢から10週齢の成長率に有意な差を生じていた。その後の成長率に有意差はなかった。体長に有意差はあるものの体組成(体脂肪率)に有意差はなかった。1日摂餌量および明期、暗期の運動量には両群に有意差はなかった。以上より、Mfsd2は摂餌量や運動量ではなく、内分泌機能およびエネルギー代謝特性に影響を及ぼしている可能性が示唆された。成長率の差が生後8週齢頃に最も大きくなることから、生後8週齢でIGF-1、テストステロン、エストロゲンを測定したが有意差はなかった。 ③ Mfsd2 KOマウスの代謝関連臓器の形態学的解析:膵臓におけるランゲルハンス島の数や形態に有意差はなかった。肝臓、白色脂肪細胞、筋の形態学的異常はみられなかった。空腹時血糖およびインスリン値、糖負荷試験で有意差はみられなかった。 ④ Mfsd2 KOマウスの代謝関連遺伝子発現:糖新生に関与する酵素;G6PDaseやPEKCKの発現、内臓脂肪と肝臓での脂肪酸β酸化関連酵素発現(CPT1a, Acad, Acox1など)に有意差はなかった。
|