2014 Fiscal Year Research-status Report
小児期の体重増加と肥満・代謝異常との関係を解明する探索的・系統的なコホート研究
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25461559
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
有阪 治 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60151172)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 体重増加 / BMI / adiposity rebound / アディポサイトカイン / メタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 / 出生体重 / 初期栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は小児の肥満の形成および代謝異常(メタボリックシンドローム)の出現にとって、出生直後、乳児期、幼児期および学童期のいずれの時期の体重増加がcriticalな意義を持つかを明らかにし、それに基づいて効果的な肥満予防方法を確立することが目的である。 平成25年、26年の本研究を通じて我々は幼児期にBMI(body mass index)が減少から増加に転じるアディポシティリバウンド(adiposity rebound:AR))が早期に始まるほど、将来のメタボリックシンドロームのリスクが高まることを明らかにし、米国小児科学会雑誌にその成果を論文発表した(Pediatrics 2014)。 さらに、出生コホートで出生した427名で、出生体重を3分位[出生体重小群(≦2,980g [最小体重1,500g ] (157人)、出生体重中間群(2,980~3,320 g (157人)、出生体重大群(≧3,320g[最大体重4,500g ] (157人 ))に分け、各群のARの開始年齢を求めた。その結果、出生体重小群のAR年齢は、3歳(8人)、4歳(46人)、5歳(47人)、6歳(29人)、7歳(16人);出生体重中間群のAR年齢は、3歳(27人)、4歳(28人)、5歳(48人)、6歳(30人)、7歳(28人);出生体重大群のAR年齢は、3歳(37人)、4歳(44人)、5歳(41人)、6歳(22人)、7歳(18人)であり、Kruskal-Wallis 検定で3群間のARの開始年齢に有意差(p<0.01)が認められ、出生体重が小さくても大きくても、出生体重中間群に比較してARが早く開始する傾向にあることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の一部を複数の学術集会で発表し、米国小児科学会雑誌に論文発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、出生直後あるいは乳児期の体重増加が、幼児期に始まるアディポシティリバウンドの開始する時期と関連しているかを明らかにする。また、学童の空腹時採血を実施したので、脂質、インスリン、レプチン、アディポネクチンなどを測定し、アディポシティリバウンドとの関係を解析する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は血液検体収集を行ったので、平成27年度はその検体を用いて、LDL粒子径とレプチンを測定する予定である。そのために、「レプチン測定用試薬」および「LDL粒子径測定用の泳動ゲル」を購入(計25万円)予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の通り、「レプチン測定用試薬」および「LDL粒子径測定用の泳動ゲル」を購入(計25万円)予定である。
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Research Products
(15 results)