2015 Fiscal Year Annual Research Report
小児期の体重増加と肥満・代謝異常との関係を解明する探索的・系統的なコホート研究
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25461559
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
有阪 治 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60151172)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 体重増加 / BMI / adiposity rebound / アディポサイトカイン / メタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 / 出生体重 / 初期栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は小児の肥満の形成および代謝異常(メタボリックシンドローム)の出現にとって、出生直後、乳児期、幼児期および学童期のいずれの時期の体重増加がcriticalな意義を持つかを明らかにし、それに基づいて効果的な肥満予防方法を確立することが目的である。 今年度は、体組成の変化を反映すると考えられる1.5歳から3歳にかけてのBMI変化(増加あるいは減少)が、12歳の時点でのBMIの増加の程度に対するインスリン抵抗性の増加度、すなわちBMIとインスリン抵抗性との関係に影響を与えるかを検討した。インスリン抵抗性の指標としてHOMA-IR(homeostatic model assessment of insulin resistance) [fasting glucose (mmol/l) × fasting insulin (mIU/l) / 22.5]を用いた。 コホート内小児(男児101名、女児91名)で検討した。解析方法として、BMIの対数とHOMA-IRの対数の間の回帰係数を、性別および1.5歳~3歳のBMI変化(BMI上昇)で層別した回帰分析により算出した。従属変数はHOMA-IRの対数で、独立変数はBMIの対数とした。BMIの変化による回帰係数の差異を検討するため、交互作用の項(BMIの対数×BMI上昇)を伴った回帰分析も実施した。 その結果、女児においては、1.5歳から3歳にかけてBMIが増加している女子においては、1.5歳から3歳にかけてBMIが低下している女子に比べて、BMIが高値であるほどHOMA-IRも高値である関係がより顕著であった(BMIが少し高いだけでもHOMA-IRが大きく高い)(p=0.027)。男子でも同様の傾向がみられたが有意ではなかった。 このことから、1.5歳から3歳にかてBMIが増加した女児は、中学生になった時に肥満であるとインスリン抵抗性がより惹起されやすいといえる。よって、1.5歳から3歳にかけてBMIが増加した女児は、その時点から過体重にならないような生活習慣改善が重要であると考えられた。このデータは現在投稿中である。
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Research Products
(13 results)