2015 Fiscal Year Research-status Report
リポソーム投与により誘導されるMDSC様細胞の機能発現に関わる分子基盤の解明
Project/Area Number |
25461578
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
東 寛 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00167909)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷野 伸 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30312458) [Withdrawn]
長森 恒久 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40400098) [Withdrawn]
高橋 弘典 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50431408)
岡嶋 一樹 旭川医科大学, 大学病院, その他 (70213931)
酒井 宏水 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70318830)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | MDSC / liposome / ectosome / B7-H3 |
Outline of Annual Research Achievements |
リポソームを投与する事により、ラット脾臓にT細胞の増殖を抑制する細胞が誘導される。この抑制にはNOが関与している事、細胞間接触が必要である事から、誘導された細胞はいわゆるmyeloid-derived suppressor cell(MDSC)に類似な細胞と判断できる。本研究を推進する過程で、リポソーム投与後の脾細胞培養上清中にはIL-10, TNF-a, IL-6の産生増強が認められることから、サイトカン産生プロファイルもMDSC細胞と類似していることがわかった。さらに。この細胞に特徴的に発現している分子の一つがB7-H3であることが判明した。H7-H3は細胞表面に発現し、免疫応答を制御する分子でもあり、この分子が、当該細胞のT細胞増殖抑制に関わっている可能性がでてきた。また、投与するリポソームをいままでの1/10近くまで減量しても、T細胞の抑制効果が得られる事も確かめる事ができた。従って、観察された実験結果は、脂質の過剰投与のみで誘発されるものではないと考えられる。しかも、実験に使用しているリポソームは生体内で産生されるmicrovesicle(ectosome)と構造および組成が類似しているので、一連の実験結果は、microvesicleを生体内で捕捉したマクロファージの機能をよく反映していると考える事が出来るかも知れない。即ち、生体内でMDSCが如何なる機序で誘導されてくるかを解明するための実験モデルと考える事ができる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
途中で、実験補助員の交代があったため、実験系の構築に時間がかかった。 また、観察された結果が脂質の大量投与によるものでは無い事を示すため、容量依存性の検討を行わなければならず、その為に多くの時間を割いてしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
リポソームの投与により誘導されるMDSC様細胞とT細胞との接触に関与する分子の一つが、MDSC様細胞に発現してくるB7-H3分子である可能が示された。当初の計画にしたがい、今後はこの分子が抑制機能に関与しているかどうかを検討する。 また、リポソームを捕捉したマクロファージがMDSC様細胞に変化する際の細胞内シグナル伝達機構について明らかにする事を考えている。
|
Causes of Carryover |
途中で、実験補助員の交代があったため、実験系の構築に時間がかかった。 また、観察された結果が脂質の大量投与によるものでは無い事を示すため、容量依存性の検討を行わなければならず、その為に多くの時間を割くこととなり、結果として、研究費の執行が遅れた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
B7-H3分子の機能解析に必要な試薬等の購入、またリポソーム捕捉がマクロファージ内のシグナル伝達系に与える影響についての基礎データを得るための試薬の購入等に研究費を充当する予定である。
|
Research Products
(3 results)