2013 Fiscal Year Research-status Report
血中分泌型microRNAを用いた横紋筋肉腫転移メカニズムの解明
Project/Area Number |
25461603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
土屋 邦彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90381938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)
家原 知子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20285266)
宮地 充 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40584983)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | microRNA / 横紋筋肉腫 / 転移 |
Research Abstract |
我々は筋特異的に発現するmicroRNA であるmiR-206 を用いた横紋筋肉腫の新規血清診断法を開発した。これは、腫瘍に発現しているmicroRNA が、腫瘍から分泌され、循環血中に移行することを利用したものである。さらに、転移例では限局例に比べて、腫瘍特異的microRNA が多量に血中に存在することが判明した。我々は、転移例血中に増加しているmicroRNA は原発巣より放出されて、血液を介して、転移巣形成の促進に寄与するのではないかと仮定して、転移例と限局例の血清でのmicroRNA の発現プロファイルの違いを解析し、転移例で発現の増加しているmicroRNA を同定中である。本研究では、これらのmicroRNA について、分子生物学的機能解析、予後との相関の解析を行い、転移性横紋筋肉腫の治療戦略の構築を行うことを目的とする。 平成25年度は、転移例において血清中で高発現しているmicroRNAの検索を行った。まず、13の血清検体を用いて、PCRアレイによる発現解析を行い、次に、24の血清検体を用いて、validationを行った。この結果、複数のmicroRNA(miR-532-5p, -30d, -382, -660, -335, -500*, -362-5p, -182, -206) の発現が亢進していることが明らかとなった。これらのmicroRNAの中には、他の癌腫で転移を促進することが報告されているものが含まれる。 今後、これらのmicroRNAの機能解析により、横紋筋肉腫の転移メカニズムに関する新たな知見が得られると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腫瘍から放出されるexosomeやmicroRNAが転移や増殖に及ぼす機能解析についての検討が進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
I. 腫瘍から放出される分泌型microRNA による転移促進の基礎検討:腫瘍から分泌される種々のmicroRNA 全体をexosome として回収し、これが転移促進に関わることを証明する。 II. 限局例と転移例での発現の異なる血清中microRNA の機能解析:限局例と転移例で発現の異なるmicroRNAについて、機能解析により転移を促進するかについて検討する。 III. 転移例の血清中で高発現し、かつ、転移を促進するmicroRNA と予後との相関:転移を促進する効果の高いと判断されたmicroRNA について、血清での発現量を定量し、予後との相関を検討する。
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