2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461634
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
金子 一成 関西医科大学, 医学部, 教授 (00214453)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 微少変化型ネフローゼ症候群 / ポドサイト / lipopolysaccharide / PANラット |
Research Abstract |
微少変化型ネフローゼ症候群の病因として、近年、腎糸球体上皮細胞(Podocyte)の機能的・構造的異常が注目されている。すなわちウイルスRNA などがPodocyte 表面のToll 様受容体を介して細胞表面に共刺激分子CD80 抗原を発現させ、リンパ球を活性化するとともに、細胞質のシナプトポジンが減少し、アクチン細胞骨格が変形する結果、バリア機能が損なわれ大量の血漿蛋白が持続的に尿中に漏出する、という考え方である。本研究の目的は、微少変化型ネフローゼ症候群のモデル動物を用いて、Podocyte を標的とした特異療法を探求することである。 平成25 年度は、4-6 週齢の正常C57BL/6 マウスに5mg/kgのlipopolysaccharide (LPS)を腹腔内に投与して一過性ネフローゼ症候群マウスを作成するとともに、F344ラットに puromycin aminonucleoside (PAN)を50mg/kg BW尾静脈より投与して一過性ネフローゼ症候群ラットも作成した。さらにこれらの一過性ネフローゼ症候群モデルのラットおよびマウスで微少変化型ネフローゼ症候群の特徴的なPodocyteの変化、すなわち光学顕微鏡での微少変化と電子顕微鏡での足突起の広範な癒合、平坦化を確認した。 またヒトの微少変化型ネフローゼ症候群に対する第一選択薬であるステロイド(メチルプレドニゾロン)をモデルラットに対して15mg/kg BWを腹腔内投与することで、蛋白尿が消失することも確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、微少変化型ネフローゼ症候群ラットにおいて、ステロイドを投与して、蛋白尿が消失するか否か、すなわち、効果の確認は平成26年度の研究計画であったが、すでに平成25年度に達成できた。 一方、平成25年度に実施予定であった腎糸球体上皮細胞・Podocyteの足突起での発現が予想される各種分子(TLR-4やCD80)の確認はまだ出来ていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは微少変化型ネフローゼ症候群ラットにおいて腎糸球体上皮細胞(Podocyte)足突起での発現増強が予想される各種分子(TLR-4やCD80)の確認を行う。 CD80分子の発現増強が確認が出来たら、その抑制分子であり、慢性関節リウマチの治療薬(商品名:オレンシア)として臨床使用認可を受けているCTLA-4分子(アバタセプト:CTLA-4 分子の細胞外ドメインとヒト免疫グロブリンIgG1 のFc 領域からなる可溶性融合蛋白)を投与して蛋白尿の出現が抑制できるか否かを行う。 同時に従来の微少変化型ネフローゼ症候群の病因論で重要な役割を担っているとされるTリンパ球が存在しなくとも発症しうると言う仮説を証明するために、T細胞欠損ラットを用いてPANによる微少変化型ネフローゼ症候群の誘導を確認する。
|
Research Products
(4 results)
-
-
[Journal Article] A novel nuclear factor κB inhibitor, dehydroxymethylepoxyquinomicin, ameliorates puromycin aminonucleoside-induced nephrosis in mice.2013
Author(s)
Shimo T, Adachi Y, Yamanouchi S, Tsuji S, Kimata T, Umezawa K, Okigaki M, Takaya J, Ikehara S, Kaneko K.
-
Journal Title
Am J Nephrol
Volume: 37
Pages: 302-309
DOI
Peer Reviewed
-
-