2014 Fiscal Year Research-status Report
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25461640
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐々木 綾子 山形大学, 医学部, 講師 (60333960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 清 山形大学, 医学部, 名誉教授 (20142961)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 先天性中枢性低換気症候群 / PHOX2B遺伝子 / アラニン伸長変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性中枢性低換気症候群(CCHS)は高炭酸ガス血症への換気反応の欠如であり、PHOX2B遺伝子変異が原因である。遺伝子変異の90%はポリアラニン伸長変異であり、10%がミスセンス変異、ナンセンス変異、またはフレームシフト変異である。また、アラニン伸長変異の95%はde novoの変異であると言われてきたが、近年、保因者の親や変異のモザイクの親からの遺伝が25%を占めることが報告され、我々も同様の研究を行い、確認した。今年度は201例の遺伝子検索を行い、遺伝子変異を認めた102例についての検討と、遺伝子変異を認めなかった99例につき検討した。遺伝子変異を認めた102例では、25ポリアラニン伸長変異は21例、26ポリアラニン変異は29例、27ポリアラニン変異は33例、28ポリアラニン変異は1例、30ポリアラニン変異は3例、31ポリアラニン変異は3例、32ポリアラニン変異は2例、33ポリアラニン変異は4例、非ポリアラニン変異は6例に認められた。24ポリアラニン変異と29ポリアラニン変異は認められなかった。非ポリアラニン伸長変異はすべて新規の変異であった。遺伝子変異の認められなかった症例は99例で、CCHS以外の診断がついている症例のうち、ROHHAD症候群、またはROHHAD症候群疑いの症例は5例であった。他に、コルネリアデランゲ症候群が1例、ミラーディンカー症候群が1例、骨形成不全Ⅰ型が1例、Rett症候群が1例、キアリ奇形1型が1例、nail-pattela症候群が1例であった。けいれん、胃食道逆流症は遺伝子変異の認められなかった症例で多く認められ、SIDSやALTEで搬送されてきた症例では全例、遺伝子変異を認めなかった。CCHSの診断・管理のガイドラインの作成が急がれると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では201例の解析が終了しており、遺伝子型と表現型の比較、遺伝子異常の有無の比較等の解析中であり、ガイドライン作成の準備を行っている。また、遺伝子異常が認められず、臨床上CCHSが考えられる症例については、モザイクの有無等について検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究を引き続き行い解析症例を積み重ねていく。遺伝子変異を検出できない症例についてはモザイクの有無や、次世代シークエンサーでの解析を検討していく。
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Causes of Carryover |
平成26年度の研究が終了せず、平成27年度も研究に使用するため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の研究を引き続き行い解析症例を積み重ねていく。遺伝子変異を検出できない症例についてはモザイクの有無や、次世代シークエンサーでの解析を検討していく。
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