2014 Fiscal Year Research-status Report
新生児低酸素性虚血性脳症の予防に向けた胎児治療戦略に関する基礎的研究
Project/Area Number |
25461641
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
亀井 良政 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00251265)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低酸素虚血性脳症 / ミクログリア / 脳低体温療法 / ノルエピネフリン / CREB / IL-1b |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、正期産児における低酸素虚血性脳症(HIE)に対する脳低温療法の代替薬物療法を開発することを目的とした。 低酸素負荷の際には、脳内でノルエピネフリンが増加することが知られているが、ノルエピネフリンは血液脳関門を通過することができないために、臨床応用はされていない。Atomoxetine(ATM)は選択的なノルエピネフリンのreuptake阻害剤として知られ、ADHD児の治療薬として臨床応用されている。 今回我々は、正期産児に相当するラットHIEモデルを作成し、低酸素虚血負荷に際してATMを投与することによりHIEの発症を防止できるかを検討した。その結果、ATMは組織学的にHIEの病態を改善し、その仕組みとしてCREBのリン酸化ならびにその標的タンパクであるBDNFの発現増加をもたらすことを明らかとした。また、この過程において、マイクログリアが深く関与していることがin vivo, in vitroの解析にて明らかとなった(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低酸素虚血性脳症に対する脳低温療法の代替治療法の開発を目的として、脳内ノルエピネフリンの作用に注目し、ラット動物モデルを作成し、薬物投与により低酸素虚血性脳症が改善されること、さらにこの作用機序としてミクログリアが関与していることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、早産児のPVLや正期産児のHIEにおけるオリゴデンドロサイトあるいはマイクログリアの新規薬物療法の確立に向けた基礎的研究を行う。すでに我々は、早産児のPVLや正期産児のHIEにおいて有用であると考えられるいくつかの候補薬物を発見しており、今後はこれら候補薬物の体内薬物動態と作用機序について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた動物実験が、予想していたよりも少ない動物数で完了し、現在投稿中の段階まで達したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度に、早産児のPVLや正期産児のHIEにおいて有用であると考えられるいくつかの候補薬物について、その体内薬物動態と作用機序について検討するために、当初予定していたよりも多くの動物実験を行う予定である。
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Research Products
(35 results)
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[Journal Article] Safety and efficacy of preoperative autologous blood donation for high-risk pregnant women: experience of a large university hospital in Japan.2014
Author(s)
Yamamoto Y, Yamashita T, Tsuno NH, Nagamatsu T, Okochi N, Hyodo H, Ikeda T, Kawabata M, Kamei Y, Nagura Y, Sone S, Fujii T, Takahashi K, Kozuma S
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Journal Title
J Obstet Gynaecol Res.
Volume: 40
Pages: 1308-16
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 子宮内外同時妊娠で生児を得た一例2014
Author(s)
瀬戸さち恵, 鈴木元晴, 梶原 健, 岡垣竜吾, 亀井良政, 石原 理
Organizer
第86回埼玉産科婦人科学会 埼玉県産婦人科医会 平成26年度後期学術集会
Place of Presentation
県民健康センター(埼玉県さいたま市)
Year and Date
2014-11-08
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[Presentation] 臨床的侵入奇胎となり追加治療を要した胎児共存奇胎の2症例2014
Author(s)
霞澤 匠, 仲神宏子, 難波 聡, 市川大介, 鈴木裕之, 鈴木元晴, 三木明徳, 梶原 健, 岡垣竜吾, 亀井良政, 石原 理
Organizer
第86回埼玉産科婦人科学会 埼玉県産婦人科医会 平成26年度後期学術集会
Place of Presentation
県民健康センター(埼玉県さいたま市)
Year and Date
2014-11-08
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[Presentation] 胎児心臓超音波検査のオンライン全国登録2014
Author(s)
瀧聞 浄宏, 梶野 浩樹, 亀井 良政, 安河内 聰, 日本胎児心臓病学会データベース委員会
Organizer
第50回日本小児循環器学会学術集会
Place of Presentation
岡山コンベンションセンター(岡山県岡山市)
Year and Date
2014-07-03 – 2014-07-05
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[Presentation] NT肥厚で染色体正常核型であった児の予後2014
Author(s)
川田 淑子, 久須美 真紀, 河合 有希, 小松 篤史, 永松 健, 矢部 慎一郎, 堀越 嗣博, 山下 隆博, 亀井 良政, 大須賀 穣, 藤井 知行
Organizer
第66回日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
東京国際フォーラム(東京都千代田区)
Year and Date
2014-04-18 – 2014-04-20
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[Presentation] 胎児の循環機能評価 胎児心拍数波形5段階レベル分類におけるコンピューター判定システム(TRIUM)と医師のレベル判定一致率とそれに及ぼす要因(心拍数基線、基線細変動、一過性徐脈)の検証2014
Author(s)
三宅 菜月, 横井 暁, 宮崎 顕, 南 宏次郎, 前田 眞, 堀部 暢人, 馬場 真澄, 亀井 良政, 村林 奈緒, 山田 崇弘, 多田 和美, 紀平 正道
Organizer
第66回日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
東京国際フォーラム(東京都千代田区)
Year and Date
2014-04-18 – 2014-04-20