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2013 Fiscal Year Research-status Report

亜鉛イオンによる神経管閉鎖障害の発症メカニズムの解析

Research Project

Project/Area Number 25461653
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionSaitama Medical University

Principal Investigator

駒崎 伸二  埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80129155)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 猪股 玲子  埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50468378)
亀澤 一  埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50646677)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords脊柱管形成 / 神経管閉鎖障害 / 二分脊椎症 / 無脳症
Research Abstract

平成25年度の研究では、塩化亜鉛が神経管閉鎖障害に及ぼす作用について、今後の研究の方向性を決めるための基礎的な実験を行った。それらの実験項目と、その結果得られた研究成果の概略について以下に示した。
1.塩化亜鉛(5 mM)の影響下で発生させた胚に神経管閉鎖障害が引き起こされる時期の解析。実験材料に使用した両生類のイモリの胚の発生過程では、塩化亜鉛による影響が現れて神経管閉鎖障害(神経板の崩壊)が引き起こされる敏感な時期のあることが分かった。それは、ステージ19~20の時期であった。その際に、塩化亜鉛の影響がとりわけ顕著に表れる部位が神経板の中に2か所(頭部と頚部の領域)にあることが分かった。
2.塩化亜鉛の作用による神経管閉鎖障害の形態学的な解析。塩化亜鉛の作用で神経板の崩壊が引き起こされる際に、細胞間の接着に異常が見られることが電子顕微鏡観察でわかった。
3.塩化亜鉛の作用による細胞の運動性や形態変化の解析。神経板の領域から取り出した培養細胞に塩化亜鉛が及ぼす影響を調べた結果、塩化亜鉛の作用により細胞の伸縮運動(虫様運動と呼ばれている。)が活発になることが分かった。
4.塩化亜鉛が細胞内Caイオン濃度に及ぼす影響の解析。塩化亜鉛の影響により細胞内Caイオン濃度の速やかな上昇が引き起こされる。その原因について各種の阻害剤を用いた実験で調べた結果、塩化亜鉛が細胞内のCa貯蓄小器官からCaイオンの放出を引き起こす可能性が推測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度に行った広範囲の基礎実験から、塩化亜鉛が神経管閉鎖障害を引き起こす際のしくみの概略が明らかになり、これからの研究の方向性が見えてきた。今後2年間の研究では、塩化亜鉛が神経管閉鎖障害に及ぼす影響の具体的なメカニズムについて、細胞レベルで明らかにすることを目標に研究を進める計画である。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度に行った実験項目の研究成果について、さらに詳細な解明を行う。そのために、今後の2年間では、以下のような課題の解明を計画している
1、亜鉛イオンが細胞内のどの部位に取り込まれるのか。この点については、電子顕微鏡を用いたX線微量分析装置を利用して解析する。
2.塩化亜鉛が影響を及ぼす細胞内小器官は何か。この点については、各種のイオン代謝阻害剤などを用いた実験や、電子顕微鏡による細胞内小器官(たとえば、ミトコンドリアや小胞体など)の微細構造の詳細な観察を行う。
3.塩化亜鉛の影響で神経板の細胞にどのような異常(たとえば、細胞運動、細胞接着、細胞骨格系などの異常)が引き起こされるのか。この点については、培養細胞を用いたタイムラプス撮影法などを用いた細胞運動と細胞形態の変化の定量的な解析と、蛍光顕微鏡や電子顕微鏡を用いた細胞骨格や細胞接着などの変化を解析する。
4.亜鉛イオンがどのようなCaイオンチャネルに影響を及ぼして、細胞内Caイオン濃度の増加を引き起こすのか。この点については、各種イオンチャネルの阻害剤を用いた実験と、細胞内Caイオン濃度のリアルタイム画像解析を組み合わせた方法で解析する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

過去の研究に使用した消耗品の在庫が少しあったので、それらを使用した分の経費が節約できたことや、平成25年度は実験材料の状態があまり良くなかったので、実験の回数が予定よりも少なかった分だけ実験経費が掛からなかった。
前年度の研究が予定通り順調に進展したことや、今年度は研究材料が豊富に確保できたことから、今年度の研究には大きな進展が期待される。そのために、今年度は予想以上の研究経費が必要になると思われる。それゆえ、前年度の繰越金を今年度の研究の追加経費として使用する。

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Published: 2015-05-28  

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