2015 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛イオンによる神経管閉鎖障害の発症メカニズムの解析
Project/Area Number |
25461653
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
駒崎 伸二 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80129155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 玲子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50468378)
亀澤 一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50646677)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経管閉鎖障害 / 発生 / 両生類 / 亜鉛 / 二分脊椎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経管閉鎖障害は小児の奇形の中では出現頻度が比較的に高くその症状も重篤である。その原因として、遺伝的な因子、環境因子(環境汚染など)、栄養因子(ビタミンBや亜鉛イオンなどの過不足)など、さまざまな可能性が指摘されている。しかし、それらの因子がどのようなしくみで神経管閉鎖障害を引き起こしているのか依然として不明な点が多い。そこで、我々は、神経管閉鎖障害が引き起こされるしくみについて明らかにするために、両生類(イモリ)の胚を用いて、その神経管形成に亜鉛イオンが及ぼす作用を解析した。その結果、神経管形成の特定の発生時期に、とりわけ、脳と頸椎の部分が亜鉛イオンの影響を敏感に受けること、そして、亜鉛イオンはそれらの部分の神経板の細胞を解離させ、神経管閉鎖障害を引き起こすことを明らかにした。その結果、亜鉛イオンが脳の部分に影響を及ぼした際には、ヒトの無脳症と良く似た奇形を引き起こすことも明らかになった。次に、なぜ、特定の発生時期の一定の部位だけが亜鉛イオンの影響を受けやすいのかという問題について解析を進めている。たとえば、影響を受けやすい部位とそうでない部位の間で、細胞間接着、細胞骨格、小胞体などの細胞小器官、そして、細胞内Caイオン濃度などに亜鉛イオンが及ぼす影響の違いなどの解析を進めている。
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