2013 Fiscal Year Research-status Report
炎症収束性脂質メディエーターは新生仔ラットCLDの進展を阻止し重症度を緩和する
Project/Area Number |
25461657
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
荻原 享 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00211128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 昌史 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80388264)
山岡 繁夫 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90434779)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 新生児慢性肺疾患 / 炎症収束性脂質メディエーター / lipoxin / resolvin / bleomycin / 酸化ストレスマーカー |
Research Abstract |
ステロイド以外に治療法がない新生児慢性肺疾患(Chronic lung disease of the newborn, CLD)の現状を打破するために、従来の基本コンセプトである「抗炎症」-炎症を抑え込む-という考え方を180度転換して、炎症の自然収束過程で出現する「炎症収束性メディエーター」をさらに補充して、「収束過程を促進する」という新たな視点に立って、急性期ではなく、慢性炎症期のCLDの遷延化を防ぐことを目標に、動物モデル実験を計画した。 具体的には、bleomycin肺線維化モデルを用いることとし、新生仔ラットに、日令2からbleomycinを、連日14日間腹腔内投与し、その後、肺組織を取り出し、組織学的検討により、CLDモデルとしての適合性を検討した。その結果、肺胞径、肺胞中隔壁厚による肺胞発育の評価では、コントロールとの間に大きな差異を認め、ヒトのCLDモデルとして矛盾しないことが確認された。 次年度からは、いよいよ炎症収束性脂質メディエーターの効果判定に入る予定である。bleomycinを、連日10日間腹腔内投与した後、resolvin、protectinの経気道投与を、5日間行い、日令18に肺組織を取り出し、組織学的検討を行う。今後は、免疫組織染色法による、肺線維化、肺傷害のマーカー、ならびにサイトカインの発現等の検討や、炎症の評価も加える予定である。また、日令12、18にELFを採取し、脂質メディエーターや酸化ストレスマーカなどの生化学的検討も計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、初年度中に、肺組織を用いた免疫組織染色法により、肺線維化や肺傷害のマーカー、ならびにサイトカインの発現等の検討も行う予定であったが、担当者である研究協力者の篠原大学院生の技術習得に少々時間を要し、やっと技術的な準備が整ったところである。次回のシリーズからは、計画通り実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度からは、いよいよ炎症収束性脂質メディエーターの効果判定に入る。bleomycinを、連日10日間腹腔内投与した後、resolvin、protectinの経気道投与を、5日間行い、日令18に肺組織を取り出し、組織学的検討を行う。今後は、免疫組織染色法による、肺線維化、肺傷害のマーカー、ならびにサイトカインの発現等の検討や、炎症の評価も加える予定である。また、日令12、18にELFを採取し、脂質メディエーターや酸化ストレスマーカなどの生化学的検討も計画している。 担当は、当初の計画通り、モデル実験自体は、研究分担者の山岡助教が中心となり、研究代表者の荻原と、長谷川助教(研究分担者)、篠原大学院生(研究協力者)も加わった全員体制で行い、肺病理組織と免疫染色は篠原大学院生、Cytokinesの組織発現は長谷川助教、ELISAによる、ELF中のサイトカインや脂質メディエーターの測定は山岡助教、さらに、質量分析による酸化ストレスマーカーの測定は研究代表者の荻原が中心となって遂行する。
|