2014 Fiscal Year Research-status Report
炎症収束性脂質メディエーターは新生仔ラットCLDの進展を阻止し重症度を緩和する
Project/Area Number |
25461657
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
荻原 享 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00211128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 昌史 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80388264)
山岡 繁夫 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90434779)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新生児慢性肺疾患 / 炎症収束性脂質メディエーター / lipoxin / resolvin / bleomycin / 酸化ストレスマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児慢性肺疾患(Chronic lung disease of the newborn, CLD)に対する炎症収束性脂質メディエーターの効果を検証するため、ラットBleomycin肺線維症モデルを用いた実験を行っているが、resolvinはある程度の改善効果を示したものの有意には至らなかった。現時点でのresolvin投与実験では、Bleomycin肺線維症モデル作成のごく初期に一度だけ腹腔内投与を行っているが、resolvinは本来炎症を収束させる物質であり、炎症機転がある程度活発化した後に投与するほうが理に適っていると考え、まずは、肺線維症が完成する途中からの投与を試みたが、やはり有意な結果は得られなかった。そこで、次回は、考え得る最大投与量で、しかも、肺線維症確立後もしばらく継続投与して、効果を探ることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、今年度中に、肺組織を用いた免疫組織染色法により、肺線維化や肺傷害のマーカー、ならびにサイトカインの発現等の検討も行う予定であったが、大前提である組織障害改善の確証が得られないため、投与量、投与方法、投与時期等の再検討に時間を費やしているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
Resolvin投与による肺線維症の改善が確認されれば、当初の計画通り、免疫組織染色法による、肺線維化、肺傷害のマーカー、ならびにサイトカインの発現等の検討や、炎症の評価を開始する予定である。また、日令12、18にELFを採取し、脂質メディエーターや酸化ストレスマーカなどの生化学的検討も計画している。 担当は、当初の計画通り、モデル実験自体は、研究分担者の山岡助教が中心となり、研究代表者の荻原と、長谷川助教(研究分担者)、篠原大学院生(研究協力者)も加わった全員体制で行い、肺病理組織と免疫染色は篠原大学院生、Cytokinesの組織発現は長谷川助教、ELISAによる、ELF中のサイトカインや脂質メディエーターの測定は山岡助教、さらに、質量分析による酸化ストレスマーカーの測定は研究代表者の荻原が中心となって遂行する。 もし、resolvinでは十分な効果が得られなければ、他の炎症収束性脂質メディエーター、たとえば、lipoxinやprotectinの使用も考慮する。
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