2015 Fiscal Year Research-status Report
周生期脳障害に対する糖鎖を応用した臍帯血幹細胞移植法の開発とその分子基盤の解明
Project/Area Number |
25461659
|
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
中西 圭子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 主任研究員 (50280813)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 移植再生医療 / 臍帯血幹細胞 / 新生児低酸素性虚血性脳症 |
Outline of Annual Research Achievements |
臍帯血は新生児において最も安全かつ簡便に採取できる幹細胞源である。本研究では、新生児低酸素性虚血性脳症などの周生期脳障害に対する新規治療法として臍帯血幹細胞移植法の有効性について検討している。ラット臍帯血幹細胞を増殖させ、ラット新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)モデルに移植する、という同種移植系を用いて治療効果を検討し、臍帯血幹細胞を効率的に増殖させる方法の開発や臍帯血幹細胞移植による脳損傷改善効果の分子基盤を明らかにすることを目的としている。 GFPトランスジェニックラット胎仔臍帯血より有核細胞層を分離し、4種類の増殖因子存在下で幹細胞を培養増殖させ、HIEモデルラットに受傷3日後に腹腔内投与した。これまでに、受傷3週間後の評価で梗塞面積の減少および運動機能の改善が観察されたが、個体によるばらつきが大きいことがわかっている。 今年度はHIEラット脳のパラフィン切片を作製し、活性化ミクログリアマーカーであるED1免疫組織染色, 血管内皮細胞糖鎖を特異的に認識するTomato lectionを用いた染色を行った。対照群と比較し臍帯血幹細胞投与群では、障害側脳におけるED1陽性細胞数が減少していた。一方、運動野におけるTomato lectin陽性血管面積は対照群と臍帯血投与群とで、有意な差は観察されなかった。以上のことから、臍帯血幹細胞投与が、活性化ミクログリアの障害部位への集積を抑制している可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臍帯血幹細胞による梗塞軽減機序を明らかにするため免疫組織染色法を用いて検討しているが、パラフィン切片では染色できない抗体があり、新たに凍結切片標本を作製し検討する必要があるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長して、幹細胞の効率的な増殖法や、幹細胞による梗塞軽減機序についてさらに詳細に検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
臍帯血幹細胞による梗塞軽減機序を明らかにするため、研究期間を延長し、新たに標本を作製する必要があるため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
幹細胞の効率的な増殖法の探索や、幹細胞による梗塞軽減機序について詳細に検討するために、増殖因子や抗体を購入する予定である。また、研究を効率的に進めるため、研究補助のアルバイトを雇用する予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] SCF(Fbxo22)-KDM4A targets methylated p53 for degradation and regulates senescence.2016
Author(s)
Johmura Y, Sun J, Kitagawa K, Nakanishi K, Kuno T, Naiki-Ito A, Sawada Y, Miyamoto T, Okabe A, Aburatani H, Li S-F, Miyoshi I, Takahashi S, Kitagawa M, Nakanishi M.
-
Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 7
Pages: 10574
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-