2014 Fiscal Year Research-status Report
紫外線‐活性酸素由来のDNA損傷における皮膚発癌メカニズム;炎症はどう関与する?
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25461668
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
国定 充 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80566969)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 紫外線皮膚発癌 / 炎症 / 活性酸素 / DNA損傷 / p53 / スピルリナ |
Outline of Annual Research Achievements |
Ogg1ノックアウトマウスにおいて紫外線UVB照射後に野生型と比較して炎症関連遺伝子が上昇することについて既知であったのでOgg1ノックアウトマウスより単離した線維芽細胞を用いてより詳細に検討を行った。その結果あるサイトカイン遺伝子X(未発表)が殆ど唯一有意に上昇することを発見した。その遺伝子Xまた炎症関連遺伝子とともにバーシカンというプロテオグリカン遺伝子も上昇することがわかっていたので遺伝子Xとの関連について検討を行った。siRNAを用いた実験では遺伝子Xを抑制するとバーシカンの発現は抑制され、また逆にバーシカンの発現を抑制すると遺伝子Xも抑制され、それらが相方向で紫外線ン照射後の調節に重要な役割を担っていることが分かった。さらに紫外線皮膚発癌において最も重要な遺伝子の一つとしてp53遺伝子があるが、遺伝子Xおよびバーシカンによってコントロールできているかも検討した。その結果p53をもそれらの遺伝子によって制御されていることがわかり、バーシカンおよび遺伝子Xが紫外線皮膚発癌に重要な役割を担っていることが示唆された。さらにその新たに発見した遺伝子は長期間マウスにUVBを照射した皮膚について如何に発現しているかも実験を行い、炎症関連蛋白Xが皮膚において持続的に野生型と比較して強発現していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ogg1ノックアウトマウスにおいての炎症関連遺伝子の探索およびバーシカンとの関連を胎児線維芽細胞を単離することによってメカニズムの解明を進めている。 また大きくわけて二つ目のスピルリナが紫外線皮膚発癌に及ぼす影響においても申請書に記載したような作用点を確認する実験を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
Ogg1ノックアウトマウスは紫外線による活性酸素によるDNA損傷を修復できない。そのマウスにおいて炎症関連遺伝子がDNA損傷の現象後に生じていることが細胞レベルでも確認できているので今後は他の紫外線によるDNA損傷を修復できない動物モデルで同様の現象が見られないか、また炎症反応についてOgg1ノックアウトマウスでは重要遺伝子を発見しているのでそれが他のDNA損傷欠損マウスでも共通して見られるのか、そうであればその遺伝子発現を抑えることによりその抗体を作り出すことで、治療などの開発に繋がる研究を推進したい。
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Causes of Carryover |
前年度は動物実験にてマウスに紫外線を長期間照射する実験を主に行い、その実験であると抗体や培地などいわゆる消耗品に対する支出がそれほかからず予定された支出額を下回った。無論線維芽細胞など細胞を使用した実験を行ったが動物実験に占める割合が多かったので細胞を使用した実験での消耗品などの支出予定を下回った。また実験Dataの取りまとめなど未発表の部分が多く、そのため学会出張などについても予定回数を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度については動物実験よりも細胞を用いた実験の割合が増加することが予定され、それに伴い消耗品などの支出増加、および実験結果を発表すべき論文の投稿費や学会発表に伴う出張費としての支出が予定され、結果的に翌年度として請求した助成金と合わせてほぼ予定通りの支出となることが考えられる。
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