2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461674
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
浅井 純 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50438222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 則人 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30244578)
竹中 秀也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80254358)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポドプラニン / 表皮細胞 / 創傷治癒 / 悪性黒色腫 |
Research Abstract |
まず、培養ヒト正常表皮細胞(normal human epidermal keratinocyte:NHEK)におけるポドプラニンの発現および機能解析を行った。ポドプラニンはTGF-beta刺激により発現が亢進することがわかった。NHEKにポドプラニンsiRNA遺伝子を導入し、ポドプラニン発現低下による細胞増殖能・遊走能についてproliferation assay、scratch wound assayを行ったところ、ポドプラニン発現低下により細胞の増殖、遊走はともに低下した。また細胞接着分子の一つであるE-カドヘリンの発現を免疫染色にて検討したところ、ポドプラニン発現低下と反比例してE-カドヘリンの発現が上昇した。以上より、ポドプラニンはE-カドヘリンの発現を調節することで増殖能や遊走能を制御していることが明らかになった。 次に、ポドプラニン受容体の一つであるCLEC-2を有する血小板の表皮細胞に対する機能を検討した。血小板刺激によりNHEKの遊走能は低下した。NHEKに対してCLEC-2による刺激を加え、遊走能を検討したところ、CLEC-2刺激によりNHEKの遊走能は有意に低下した。以上のことより、血小板によるNHEK遊走低下作用はCLEC-2とポドプラニンの伝達経路による可能性が示唆された。 皮膚悪性腫瘍の浸潤や増殖におけるポドプラニンの役割を検討するために過去の皮膚悪性腫瘍の病理検体を用いてポドプラニンの発現とリンパ節転移や夜ごとの相関を検討した。悪性黒色腫において、腫瘍自体のポドプラニンの発現と予後やリンパ節転移との間に相関は認められなかったが、腫瘍間質細胞のポドプラニンの発現と予後やリンパ節転移との間に正の相関を認め、腫瘍間質におけるポドプラニンの発現が悪性黒色腫における予後予測因子として用いることができる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に予定していた1.培養ヒト正常表皮細胞(normal human epidermal keratinocyte:NHEK)におけるポドプラニンの発現および機能解析は予定通りに完了した。2.皮膚原発有棘細胞癌由来細胞株(cell line of a squamous cell carcinoma of human skin:HSC)におけるポドプラニンの発現および機能解析については、病理検体を用いたポドプラニンの発現解析を行い、有棘細胞癌ではないが悪性黒色腫においてポドプラニンが予後予測因子となり得ることを見いたした。以上より、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
創傷治癒における表皮細胞のポドプラニンの機能については、順調に研究がすすんでおり、このまま継続する。 皮膚悪性腫瘍におけるポドプラニンの機能については、病理検体を用いた検討により腫瘍細胞自体のポドプラニンの発現より腫瘍間質における発現の方が重要な役割を担っている可能性が示唆されたため、今後は表皮細胞のみならず線維芽細胞など間質細胞におけるポドプラニンの発現についても検討して行く予定である。
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Research Products
(2 results)