2013 Fiscal Year Research-status Report
骨髄由来抑制細胞をターゲットとした悪性黒色腫新規免疫療法の開発
Project/Area Number |
25461682
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村 卓 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50396496)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相場 節也 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80159269)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 悪性黒色腫 / 骨髄由来抑制細胞 / 制御性T細胞 / PD-L1 |
Research Abstract |
本研究は骨髄由来抑制細胞をターゲットとした新規悪性黒色腫を目的とし、現在、マウスモデルとヒトの検体を用いて研究を行っている。マウスでは、B16F10モデルを用いてin vivoにおける各種治療群のMDSCのフェノタイプへの影響を検討し、現在臨床で使用されているダカルバジンやイミキモドが腫瘍内、脾臓内のMDSC上のPD-L1の発現を抑制することにより、抗腫瘍効果をもたらすことが明らかになった。これは、2013年国際研究皮膚科学会で発表を行い、現在PLOS ONE投稿中である。また、制御性T細胞に発現する分子のひとつが、MDSCのPD-L1の発現を制御していることがin vitroでmRNAレベルで明らかになったため、現在蛋白レベルや生体内で同様の現象が生じているか、確認中である。 ヒトの検体を用いた研究では、腫瘍随伴性マクロファージの存在を多種の皮膚悪性腫瘍内で証明し、それらへの治療薬の影響をヒトの末梢血由来のマクロファージを用いて解析を加えた。現在までのところ、血管肉腫における新規免疫療法の開発につながりうる基礎データを2013年にClinical Developmentl ImmunologyとDermatologyに掲載、乳房外パジェット病の補助療法になりうる基礎データをClinical Developmental Immunologyに掲載、ボーエン病の病態へのマクロファージの関与をActa DermatoVenereologicaに掲載、ランゲルハンス組織球症に対する新規治療経験をActa Dermatovenereologicaに掲載した。現在、乳房外パジェット病に対する新規免疫療法の基礎データをJournal of Investigtive Dermatologyに、マクロファージをターゲットとしたメルケル細胞癌に対する免疫療法の基礎データをDermatologyに投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記のごとく、マウスの実験系では予定通り国際誌に一報投稿できた。また、ヒトマクロファージの検討に関しては現在マクロファージ関連論文が5報、査読性があり、impact factorの存在する国際誌に掲載された。今後、マウス、ヒトと双方の研究を更に進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、マウスの骨髄由来抑制細胞の検討は、これまでに制御性T細胞により抑制型分子が増強することが確認されたため、その分子を実際にin vivoで抑制した場合の腫瘍増殖への影響、さらには、骨髄由来抑制細胞のフェノタイプへの影響やサイトカイン産生能への影響を検討する。 さらに、これまで、ヒト皮膚悪性腫瘍においては、多岐の癌腫にわたり、骨髄由来抑制細胞と同義である腫瘍随伴性M2マクロファージが存在することを確認していることから、この分子がヒト皮膚悪性腫瘍においてどの癌腫において存在するかを検討し、将来的に根治が困難な癌腫における新規治療の開発における基礎データとする予定である。
|