2015 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚腫瘍におけるヒトパピローマウイルス感染の検討と病変形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
25461683
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
清水 晶 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70396638)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Human papillomavirus / 皮膚腫瘍 / ボーエン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な皮膚腫瘍におけるHPV感染の検討を行った。 1.爪部色素線条型ボーエン病では悪性型のHPV 56型が高頻度で検出されるが、HPV67型も検出されることを示した。2.当科で経験した有棘細胞癌30例におけるHPV感染を検討した。これまでの報告とは異なり、外陰部有棘細胞癌2例のみで悪性型のHPV16型を検出した。HPV陽性例は特殊な前癌病変(bowenoid papulosis)から生じることを証明した。bowenoid papulosis から生じた有棘細胞癌はアジア地域でのみ報告されており、発症に地域差や人種差が関与する可能性がある。3.HPV6型陽性の色素性コンジローマと悪性型HPV56陽性の外陰部巨大コンジローマを発表した。色素性コンジローマはbowenoid papulosisとの鑑別が重要である。タイピングが診断に役立つと思われた。また、非典型的なコンジローマでは、通常検出されるHPV6,11型以外にも一部悪性型が関与することを示した。4.bowenoid papulosisと外陰部ボーエン病にイミキモドが有効であることも示した。
最終年度には転写因子GATA2遺伝子変異を伴う多発性疣贅の解析にも着手することができた。患者は四肢に多発性する疣贅と肛門癌が発症していた。特に感染HPVのタイピングを行い、多発性疣贅からは複数の疣贅状表皮発育異常症型(EV型)と皮膚型のHPV 、肛門癌からは悪性型HPVを検出した。未報告の新規のHPVと思われるDNA断片も検出しており、現在解析を進めている。患者末梢血には樹状細胞がほとんど見られず、今後は皮膚における樹状細胞、T, NK細胞の数と機能を検討する予定である。本研究資金により、HPV感染に伴う皮膚腫瘍の特徴を明らかにすることができた。また、新規HPVの検出とHPV感染防御において重要と思われる遺伝性疾患研究の土台を築くことができた。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Prognostic significance of L-type amino acid transporter 1 (LAT1) expression in cutaneous melanoma.2015
Author(s)
Shimizu A, Kaira K, Kato M, Yasuda M, Takahashi A, Tominaga H, Oriuchi N, Nagamori S, Kanai Y, Oyama T, Asao T, Ishikawa O.
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Journal Title
Melanoma Research
Volume: 25(5)
Pages: 399-405
DOI
Peer Reviewed
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