2014 Fiscal Year Research-status Report
マウス乾癬様皮膚炎モデルにおけるTLR2およびTLR4の役割の解明
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25461684
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤田 英樹 日本大学, 医学部, 准教授 (10323544)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | TLR / 乾癬 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度の研究においてTLR2ノックアウトマウスではイミキモド誘発乾癬様皮膚炎がその野生型マウスであるC57BL/6マウスと比べて増強するが、TLR4ノックアウトマウスでは野生型マウスと同等レベルであることが判明した。その結果を受け、イミキモドを外用したTLR2ノックアウトマウスおよび野生型マウスの皮膚における各種サイトカインの発現を検討した。イミキモドを外用した皮膚を採取しmRNAを抽出しreal-time RT-PCR法にて検討した。イミキモド外用後の皮膚においてTLR2ノックアウトマウスでは野生型マウスと比べて、IFNγ, CXCL9, CXCL10, p35, p28, EBI3の発現の上昇がみられた。また、TLR2ノックアウトマウスでは野生型マウスと比べて、IL-10, IL-17, IL-22, CCL20, p19, p40の発現は逆に低下していた。さらに、制御性T細胞のマスター転写因子であるFoxp3のイミキモド外用部での発現がTLR2ノックアウトマウスでは野生型マウスと比べて低下していた。TNF-αの発現には両者で差がなかった。IFNγ, CXCL9, CXCL10, p35, p28, EBI3はTh1系のサイトカインであり、その一方IL-17, IL-22, CCL20, p19はTh17系のサイトカインであることを考えると、イミキモド外用にてTh17系のサイトカインの発現は低下し、Th1系のサイトカインの発現は上昇していることになる。また、IL-10は抑制性のサイトカインとして知られている。乾癬は通常Th17/Th1が関わる疾患であることを考えると、Th1系サイトカインの上昇と制御性T細胞の数的減少や抑制性サイトカインの発現低下がTLR2ノックアウトマウスでのイミキモド誘発乾癬様皮膚炎の増強に関与している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度はマウスの確保の問題により研究に若干の遅れが生じていた。当初の研究計画では平成26年度中にイミキモド誘発乾癬様皮膚炎において、real-time PCR法を用いて皮膚炎局所でのサイトカイン・細胞成長因子等のmRNA発現の定量的解析を行う予定であった。平成26年度中にこれらの解析は終えることができ、ほぼ予定通りの進行状況と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在イミキモドを外用したTLR2ノックアウトおよび野生型マウスの皮膚所属リンパ節における各種サイトカイン発現の違いをreal-time RT-PCR法にて検討中である。この検討が終わり次第、当初の予定通り平成27年度に予定していたイミキモド誘発乾癬様皮膚炎部に浸潤するT細胞のサイトカインプロファイルの検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度のreal-time PCRによるサイトカイン・細胞成長因子等のmRNA発現の定量的解析にあたっては既存の試薬や前年度購入した試薬の活用を最大限活用した。よって平成26年度は当初想定していたよりも、使用額が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、当初平成27年度割り当て学で予定していた実験に加えて、平成26年度に行ったreal-time PCRによるサイトカイン・細胞成長因子等のmRNA発現の定量的解析をさらに発展させて行う予定であり、その分の試薬の購入を行う予定である。
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