2015 Fiscal Year Annual Research Report
マウス乾癬様皮膚炎モデルにおけるTLR2およびTLR4の役割の解明
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25461684
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤田 英樹 日本大学, 医学部, 准教授 (10323544)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | TLR / 乾癬 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
TLR2ノックアウトマウスではイミキモド誘発乾癬様皮膚炎がその野生型マウスであるC57BL/6マウスと比べて増強するが、TLR4ノックアウトマウスでは野生型マウスと同等レベルであることが判明した。イミキモドを外用した皮膚における各種分子の発現をRT-PCR法にて検討したところ、TLR2ノックアウトマウスでは野生型マウスと比べて、IFN-γ, CXCL9, CXCL10, p35, p28, EBI3の発現の上昇がみられ、IL-10, IL-17, IL-22, CCL20, p19, p40の発現は逆に低下していた。また、制御性T細胞のマスター転写因子であるFoxp3のイミキモド外用部での発現がTLR2ノックアウトマウスでは野生型マウスと比べて低下していた。さらに、平成27年度に行った皮膚所属リンパ節を用いた同様な検討においては、Day2でTLR2ノックアウトマウスでは野生型マウスと比べてTGF-βの発現度合およびCD4陽性細胞中のFoxp3陽性細胞の割合が低下していた。IFN-γ, CXCL9, CXCL10, p35, p28, EBI3はTh1系のサイトカインであり、IL-17, IL-22, CCL20, p19はTh17系のサイトカインであることを考えると、イミキモド外用にてTh17系のサイトカインの発現は低下し、Th1系のサイトカインの発現は上昇していることになる。また、IL-10やTGF-βは抑制性のサイトカインとして知られている。乾癬は通常Th17/Th1が関わる疾患であることを考えると、皮膚局所におけるTh1系サイトカインの上昇と皮膚および所属リンパ節での制御性T細胞の数的および機能的異常がTLR2ノックアウトマウスでのイミキモド誘発乾癬様皮膚炎の増強に関与している可能性が考えられ、この点をターゲットとした乾癬の新たな治療法の開発につながる可能性がある。
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