2014 Fiscal Year Research-status Report
Notchシグナルがメラノーマで果たす役割の解明と治療への応用
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25461689
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木庭 幸子 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (20436893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 隆平 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80292332)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メラノーマ / Notchシグナリング |
Outline of Annual Research Achievements |
DLL3がメラノーマの増殖能や浸潤能にどのような関わりを持つか調べるために,培養メラノーマ細胞を用いて以下の実験を施行した。 ①DLL3をノックダウンしたメラノーマ細胞の解析【方法】501melと624melの2つのメラノーマ細胞株を用いて、DLL3のshRNAを2種類の導入した。【結果】細胞増殖能(WST-8発色法)、コロニー形成能(コロニー形成アッセイ法)、浸潤能(スクラッチアッセイ法)のいずれにおいても、ノックダウンしたメラノーマ細胞では対照群に比べて有意な低下が見られた。 ②DLL3をノックダウンしたメラノーマ細胞の腫瘍形成能の評価【方法】624melに対してDLL3のshRNAを導入し、DLL3をノックダウンした細胞を免疫低下マウスNOGマウスに移植した。【結果】腫瘍形成能はやや低下が見られたが、対照群との有意差は認めなかった。 ③DLL3を過剰発現させたメラノーマ細胞の解析【方法】501melと624melの2つのメラノーマ細胞株を用いて、DLL3のプラスミドを導入した。【結果】細胞増殖能(WST-8発色法)、コロニー形成能(コロニー形成アッセイ法)、浸潤能(スクラッチアッセイ法)のいずれにおいても、過剰発現したメラノーマ細胞では対照群に比べて増強が見られた。 以上、①②③の結果、および前年の結果を総合すると、DLL3は母斑に比べてメラノーマにおいて発現が高く、DLL3の発現を抑えると増殖や浸潤が抑制され、逆に発現を高めると増殖や浸潤が増強する傾向が認められたことから、DLL3の発現がメラノーマの進展に関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養メラノーマ細胞を用いてDLL3をノックダウンしてメラノーマ細胞の生物態度(増殖能、コロニー形成能、浸潤能)を調べることができた。培養メラノーマ細胞にDLL3を過剰発現してメラノーマ細胞の生物態度(増殖能、コロニー形成能、浸潤能)を調べることができた。マウスへの移植実験も行った。よって今年度はほぼ予定の研究を遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、メラノーマの進展におけるNotchシグナリングの役割、とりわけリガンドであるDLL3がメラノーマの増殖や浸潤能に関わることが明らかになった。今後は、その詳細な機序を調べるために、メラノーマの進展に重要なMAPK経路との関わりを明らかにしたい。そのために、MAPK経路のいくつかの分子のmRNA発現や、ERKリン酸化などを解析する。Notchシグナルの下流にある分子についても解析を行う。
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Causes of Carryover |
試薬と消耗品が予定より少なく実験が行えた。初年度に旅費使用が予定より少なかったものが持ち越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
NotchシグナリングとMAPK経路の関連を調べるために、in vitroの実験をいくつか計画している。次年度使用額はH27年度請求額と合わせて、それらの試薬や消耗品の購入にあてる。 研究成果の発表を学術誌に投稿するための英文校正、投稿料にあてる。学会発表も予定しており旅費にあてる。
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Research Products
(2 results)