2015 Fiscal Year Annual Research Report
Notchシグナルがメラノーマで果たす役割の解明と治療への応用
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25461689
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木庭 幸子 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (20436893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 隆平 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80292332)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メラノーマ / Notchシグナリング / MAPK経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
Notchシグナリングとメラノーマの進展の関わりを解明するため,平成26年度までに,NotchリガンドのうちDelta-like protein 3(DLL3)の発現が母斑よりメラノーマにおいて有意に高いことを確認した上で,培養メラノーマ細胞においてDLL3のノックダウンと過剰発現状態での細胞増殖能,コロニー形成能,浸潤能を検討した.その結果,DLL3は,培養メラノーマ細胞の増殖,コロニー形成,浸潤のいずれも促進することを確認した.DLL3がどのようにメラノーマの増殖に関わっているかを明らかにするために,平成27年度は,DLL3がメラノーマの増殖に重要なMAPK経路に与える影響を調べることを試みた.その結果,DLL3をノックダウンした培養メラノーマ細胞においては,ERKのリン酸化が抑制されること,すなわちMAPK経路の活性化が低下することを確認した.また,DLL3をノックダウンしたメラノーマ細胞の細胞周期を調べると,ノックダウンしていない細胞に比べて,G0/G1の比率が高い,すなわち,G0/G1で細胞周期が停滞することを確認した.これは,G1チェックポイントを制御するcyclinD1/CDK4の発現低下を間接的に示唆するものであり,MAPK経路の活性化が低下するためと思われた.さらに,DLL3をノックダウンすることにより,MAPK経路下流のMITF発現が低下することも確認した. 以上より,DLL3はMAPK経路の活性化に影響を与え,メラノーマの進展に関わることが明らかとなった.これらの結果は,メラノーマの治療の標的としてDLL3が有用である可能性を示唆し,今後のメラノーマ治療の開発に有用と思われた.
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Research Products
(2 results)