2014 Fiscal Year Research-status Report
抗精神病薬誘発性糖代謝異常および体重増加に関する薬理ゲノム研究
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25461725
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福井 直樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90535163)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 抗精神病薬 / 糖代謝異常 / 体重増加 / 脂質代謝異常 / 薬理遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗精神病薬は糖・脂質代謝異常や体重増加などの代謝性副作用を引き起こし、これが統合失調症患者における心血管疾患さらには死亡率の増加につながるとされ非常に大きな問題となっており、そのメカニズム解明は急務である。 本研究では、内科領域における大規模genome-wide association studyにより同定されたエビデンスレベルが高い糖・脂質代謝異常や肥満の関連遺伝子と、抗精神病薬が惹起する糖・脂質代謝異常や体重増加との関連を調べるという手法により、そのメカニズム解明を目指している。 本年度は、前年までにサンプリングが終了しているものと合わせて、抗精神病薬内服群約350例、健常群約300例を本研究にエントリーした。そして、各症例の血液サンプルからDNAを抽出した。また、前年までのMC4R、ADRA2A、GIPR、ARL15、adiponectin、KCNQ1、TCF7L2、GIPなどの候補遺伝子に加え、MC4R、Trib1、NYP、FTO、GCG、GLP-1などの遺伝子も候補遺伝子として解析を行っている。そして、それらのゲノム情報と糖代謝の各パラメーター(fasting glucose・insulin、HOMA-IR、OGTTデータなど)、臨床情報(性別、年齢、BMI、ウエスト径、内服状況など)を対応させたデータベースを構築し網羅的解析を進めている。さらに、糖代謝異常や肥満とともにメタボリックシンドロームの診断基準に含まれている脂質の各パラメーター(LDL、HDL、TGなど)も本年度は解析対象とした。また、インクレチンであるGIPに関してもデータ収集・解析を継続した。 本年度は、オランザピン治療とGIP過剰分泌およびダンピング症候群との関連について論文発表した。さらには、Trib1遺伝子と抗精神病薬内服がHDLに及ぼす影響について学会発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子型のタイピングが予定よりわずかに遅れている部分はあるが、全体としては概ね順調に進んでしる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、遺伝子型のタイピング、データベースの構築・解析を進めて行く。H27年度中にさらに論文発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
遺伝子型のタイピングが予定よりわずかに遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の約80万円は、上記の理由に挙げ遺伝子型のタイピングに充てる予定である。
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