2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461745
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
稲垣 真澄 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所知的障害研究部, 部長 (70203198)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加我 牧子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所知的障害研究部, 客員研究員 (20142250)
刑部 仁美 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所知的障害研究部, 研究補助員 (30625520)
李 コウ 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所知的障害研究部, 流動研究員 (70621994)
太田 英伸 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所知的障害研究部, 室長 (80422103)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 不安 |
Research Abstract |
Bronx Waltzer(bv)マウスは、常染色体劣性形式をとる自然発生型の難聴モデルとして知られ、内耳コルチ器の内有毛細胞が変性・細胞死を起こすことが特徴である。本マウスの原因遺伝子として選択的スプライシングに関与するSrrm4が特定されて内耳におけるスプライシング調節異常の結果、内耳の変性が生じることが示された。 bvマウスの行動的特徴として明暗試験、高架式十字迷路における不安亢進が認められ、情動面において不安表出のつよいフェノタイプがある。生後6週齢bvの大脳皮質、特に帯状回皮質、体勢感覚皮質ではパルブアルブミン(PV)陽性GABA性介在ニューロンの発現が顕著に低下しているため、不安亢進の背景に抑制神経系の異常が関与していることが予想される。 Srrm4の異常がGABA性介在ニューロンの構築・機能異常を引き起こし、その結果不安様行動を示すようになると考えられる。そこで本年度は中枢神経系におけるSrrm4 mRNAの発現パターンを発達的に検討した。またGABA性介在ニューロン異常の出現時期を面積組織学的に検討した。その結果、生後早期から海馬のアンモン角および歯状回、小脳の顆粒細胞層、嗅球の細胞層でSrrm4 mRNAの強い発現が確認された。生後3週までのPV陽性GABA性介在ニューロンの発現は対照群、bv群に差がなかった。この点から、生後1ヶ月以降に介在ニューロンの異常が出現する神経変性の可能性が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原因遺伝子の解明がなされたため、その分子発現を発達期に応じて免疫組織化学的に明らかにする事ができた点と遺伝子RNAの発現をIn situ hybridtizationで確認できたため。また、行動異常発現年齢における上記分子の機能異常との関連を研究できる素地が確立したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度成果を元に不安病態の解明を目指してモデル動物を使用した基盤的な研究を進める。とくにニューロンレベルの機能、膜機能をパッチクランプによる方法で明らかにしていき、膜機能が不良な場合はそのレスキューを目指す治療薬物の検討を行いたい。
|
Research Products
(1 results)