2015 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症とオリゴデンドロサイト異常―hnRNPC1/2の役割解明
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25461756
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩田 圭子 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (30415088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 秀夫 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00334970)
眞部 孝幸 中京学院大学, 看護学部, 教授 (90382283)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | oligodendrocyte / schizophrenia / cell line |
Outline of Annual Research Achievements |
未分化および分化ヒトオリゴデンドロサイト細胞株においてhnRNPC1およびC2を過剰発現およびノックダウンし、ミエリン関連因子発現および分化状態が影響を受けるかについて検討した。 ヒトオリゴデンドロサイト細胞株の分化過程におけるhnRNPC1、2の発現を解析した結果、どちらも有意に減少していた。同条件下で、ミエリン関連因子発現はすべて有意に増加していた。そこで、分化過程でのhnRNPC1、2の発現低下が、これらミエリン関連遺伝子の発現増加の原因であるかを探るため、それぞれの発現ベクターを用いてhnRNP C1、C2の減少をレスキューした。しかし、本レスキューはミエリン関連遺伝子の発現増加には影響を及ぼさなかった。一方で、非常に興味深いことに、未分化なMO3.13にhnRNP C2の発現ベクターを導入するとミエリン関連遺伝子の内1つの遺伝子発現が有意に増加することが明らかとなった。 これらのことから、統合失調症者死後脳で見取られるhnRNP C1/2の発現異常は、未分化オリゴデンドロサイトのミエリン関連遺伝子の発現異常を惹起している可能性が示唆される。事実、統合失調症死後脳において本遺伝子およびタンパク質の発現異常が報告されている。 今後は、同様の過程におけるSILAC法を用いたプロテオミクス解析の結果を併せ、統合失調者でのhnRNPC1およびC2の変化に端を発するミエリン形成不全の全体像を探る。
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Research Products
(3 results)