2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461764
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
挾間 雅章 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30360621)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ギャンブル障害 / MRI / 遺伝子多型 / ドーパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、健常被験者、およびギャンブル障害患者をリクルートした。 そのうち、29人のギャンブル障害患者、および年齢・性別を一致させた34人の健常対照者において、ドーパミンに関連する遺伝子多型であるrs1800497(DRD2/ANKK1)、rs4680(COMT)の遺伝子型判定、大学設置の3T-MRIにて拡散強調画像(DTI: diffusion tensor imaging)の撮像を行った。その上で、ギャンブル障害と健常群において遺伝子多型と白質統合性との関連を全脳で検討した。健常群とギャンブル障害群の比較、およびrs4680のリスクアレルの有無の比較では有意差を認めなかったが、rs1800497のリスクアレル保有群では非保有群と比較して脳梁、右前放線冠など前頭葉白質を中心に白質統合性の有意な低下を認めた。一方、診断と遺伝子多型の交互作用は認めなかった。また、ギャンブル障害群において、rs1800497のリスクアレル保有群と非保有群とを比較したところ、上記とほぼ同様の部位において白質統合性の低下を認めた。健常群において、rs1800497のリスクアレル保有群と非保有群の間に白質統合性の有意差がなかったことと併せて考えると、rs1800497のリスクアレルがギャンブル障害において相乗的に作用する可能性や、リスクアレルの有無がギャンブル障害の類型分類に生物学的基盤を提供する可能性も考えられ、引き続き詳細に検討したい。 現在は健常群、ギャンブル障害群において、遺伝子情報の収集や脳構造画像の撮像に加えて、新たに安静時機能的MRI画像、強化学習課題を用いた機能的MRI画像の撮像を行い、データ収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療機関に繋がることが少なくリクルートの難しい病的賭博患者群、及び健常対象群の画像・遺伝子・心理検査データを順調に収集出来ている。また解析も随時行っており、予備的な結果も報告出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きデータを収集し、ギャンブル障害とかかわりの深い心理指標である新奇性探求や衝動制御不全に関連するDRD4や5HTTLPRといった他の遺伝子に着目し、ギャンブル障害の臨床的特徴、脳構造との関連を調べる。また、これまでに解析を行った遺伝子多型に関して、安静時機能的MRI画像、課題を用いた機能的MRI画像との関連を明らかにする。
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Causes of Carryover |
これまでに構築してきたデータベースを利用していること、昨年度途中より故障していたMRI装置の復旧が遅れたことにより新たな被験者リクルートが伸び悩んだため繰越金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き実験を進めて行くにあたり被験者のリクルートや遺伝子検査キットに費用がかかり、高度な解析を可能とする解析用コンピュータ及び周辺機器が必要となるため購入する。また、MRI装置の保守・維持及び周辺消耗品にかかる費用に充当する。そして国内外の学会にて情報収集を行い、得られた成果を順次発表していく。
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