2015 Fiscal Year Annual Research Report
Aβ産生機構の変化に関連する新規分子群の脳脊髄液中での探索
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25461766
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
児玉 高志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員(常勤) (30512131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 真次 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40362735)
大河内 正康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90335357)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 質量分析 / アミロイドベータ産生機構 / APL1ベータペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではアルツハイマー病で、病気の進行と密接な関係にあると考えられているアミロイドベータ産生機構の変化に伴って量が変動する分子群を、ヒト脳脊髄液中でLC/MS/MS型質量分析装置による測定で同定、定量するため、測定方法について検討を重ねてきた。今年度は、昨年度までの研究で検出されたペプチドについて、さらに詳細に配列情報を精査し、102の膜タンパク質、54の疾患関連蛋白質、2種の神経変性疾患関連蛋白質などを同定した。このうち神経変性疾患と関連することがすでに知られている蛋白質の断片は、アミロイド前駆体タンパク質(Amyloid beta A4 protein)とアミロイド様蛋白質1(Amyloid-like protein 1/ APLP1)であった。これらのうち、膜タンパク質に由来する100種類以上のペプチド断片(さらにそのうちの27種類のペプチドはアミロイド前駆体タンパク質と同じI型膜タンパク質に由来するもの)について、セクレターゼ活性の基質となりうる候補が存在するかどうか等についてさらに個別に検討して、ORAI1/CRACM1/TMEM142AやV-set and immunoglobulin domain-containing protein 2を含む数種の候補を選び、それらのペプチドに対する特異抗体を設計、作製し、培養細胞外液を用いた実験が可能になった。 また、定量的解析の際の参照として用いる三種のAPL1ベータペプチドに関しては、質量分析装置によるMRM(Multiple Reaction Monitoring)測定によって、より高感度にフェムトモル(fmol)以下の量のペプチドを定量する系を確立することができた。
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Research Products
(1 results)