2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461791
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
西原 真理 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60380325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛田 享宏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60304680)
新井 健一 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50380316)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 疼痛性障害 / 生理学的指標 / 聴覚誘発反応 / 痛覚誘発反応 / 治療反応性 |
Research Abstract |
慢性痛を伴う疼痛性障害については客観的に評価するための生理学的指標はこれまで報告されていない。このため、その指標となり得る感覚情報処理システムの評価方法についての研究を行なった。我々はこのようなシステムの破綻が障害の病態生理を反映していると考えている。 今年度は疼痛性障害に適応可能と思われる聴覚刺激の開発を行なった。クリック音を種々の周波数(25Hz~400Hz)で1秒間持続させるパラダイムを開発した。評価方法として誘発脳磁図を使用し、刺激音の終了後に発生する50ms付近の波形(P50m)を分析した。その結果、クリック音の間隔が長くなると、この程度に正確に依存してP50mの潜時が遅れることを見出した。また、同時に聴性脳幹反応も記録したが、この場合には一つ一つのクリック音に反応し、潜時の遅れは認められなかった。これは大脳皮質レベルにおいて感覚記憶情報が発生していることを示唆しており、これについての論文を現在まとめている。 また、痛覚刺激としては表皮内刺激電極を用いた。特に触覚を主体として伝えるAβ線維、痛覚を伝えるAδ線維を正確に分け、全く同一の部位を刺激する方法を試みた。Aδ刺激には針を陰極、外筒を陽極に用い、またAδ刺激には外筒を陰極、離れた部位に陽極を設置した。また刺激波形にはそれぞれ矩形波と三角波を用い、この方法によって選択的刺激が可能となった。評価方法として誘発電位を用い、Czを基準にしたN2-P2波形の潜時差を現在解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった適切な聴覚刺激、痛覚刺激方法の開発についてはほぼ目的を達成しているが、今後慢性痛を有する患者への適応方法について更に詳細な解析が必要である。また患者の選定についても現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
聴覚刺激、痛覚刺激については更に適切なパラダイムの開発を継続する。特にC線維の選択的刺激も評価として重要と考えられるため検討する。また、慢性痛患者の選定を行い、開発した方法による誘発反応を計測し、精神症状尺度との比較を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験を継続するため、研究補助員を雇用する必要が生じたため。 主として研究補助員を雇用するための費用として用いる。
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Research Products
(8 results)