2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comparison between psychophysiological insomnia and residual insomnia of the depression using the brain imaging analysis
Project/Area Number |
25461795
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
中村 真樹 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (70375054)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MRS / 不眠 / 脳画像 / 海馬 / 前帯状回 / グルタミン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で、健常者と年齢と性別を一致させた慢性不眠症患者を対象に、不眠・抑うつの程度、睡眠習慣と、1)前帯状回、2)右海馬、3)左海馬、4)大脳橋部(上行性網様体賦活系)および5)腹外側視索前野(VLPO)におけるMRS信号(神経細胞膜の機能を反映するNAA(N-acetyl-L-Aspartate)、神経細胞膜の状態を反映するCholine(Cho)、初期の細胞障害を反映するLactate、細胞膜・細胞形態維持に関わるmyo-inositol(mI)、および興奮性神経伝達物質のグルタミン・グルタミン酸複合(Glx))との相関について解析し、不眠の易発現性と海馬のGlxおよび前帯状回のChoに、睡眠・日中機能と前帯状回のmIおよびVLPOのGlxが関連があること、また、慢性不眠症患者では、右海馬のGlxと前帯状回のGlx・Choの濃度が高値であることを確認した。 本年度は、健常群と慢性不眠症群を合わせて、睡眠・日中の機能を評価するISI-J、不眠発症素因の水準である状況負荷に対する不眠の易発現性を評価するFIRST、抑うつ評価尺度であるBDIと各脳部位のそれぞれのMRS信号との相関の有無、および、慢性不眠症群においてはさらに睡眠に対する非機能的信念を評価するDBASと関連するMRS信号を解析した。 結果、両群合わせ、ISIスコア、DBIスコアが右海馬のGlxと有意な正の相関を、またFISTスコアが前帯状回の脂質と有意な正の相関を認めた。不眠症群において、DBASの総スコアが右海馬の脂質と、下位因子の「予測」が前帯状回のGlxと有意な正の相関を認めた。当研究により、不眠症群での脳内物質の変化の存在が確認された。また、前帯状回や右海馬の細胞レベルの脆弱性が不眠症の発症に関わる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)