2013 Fiscal Year Research-status Report
癌に対する線量増加放射線治療の理論確立:FMISO-PETを用いた再酸素化の証明
Project/Area Number |
25461797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡本 祥三 北海道大学, 大学病院, 助教 (20431364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 耕一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00431362)
志賀 哲 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80374495)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | FMISO-PET / 低酸素 / 再酸素化 |
Research Abstract |
申請時に記載した研究計画につき、北海道大学病院審査委員会の承認を得た上で、研究を開始した。 現在までに17例の未治療頭頚部癌患者を対象にFMISO-PETおよびFDG-PETを施行し、これらの症例を対象に解析を行った。申請時に記載した研究計画・方法に従い、放射線治療前と治療開始後(治療中,約30Gy程度)、治療終了後にFMISO-PET及びFDG-PETを行った。 治療開始前と治療開始後の比較では、低酸素状態を示唆する所見が、治療開始後のFMISO-PETで有意に低下しており、腫瘍の低酸素部分が治療開始後早期に再酸素化されている事が示唆された。一方、FDG-PETでの集積変化(抗腫瘍効果)は、治療前・中・後を通して持続的に集の減弱として見られており、再酸素化よりも後期まで効果が続いていることが示唆された。 これらの結果は、米国核医学会(Society of Nclear Medicine and Molecular Imaging,2013/6/8-12,バンクーバー,カナダ)、日本核医学会総会(2013/11/8-10,福岡)、日本医学放射線学会総会(2014/4/10-13,横浜)で口演発表し、研究成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当研究にエントリーされる症例数が予想よりも多く、比較的早期に統計学的解析ができる状況となった。 また学会での発表を経て、解析方法もより洗練されたものになってきている。 そのため、平成27年度まで予定していた研究を、1年前倒しして平成26年度中に、申請書に記載した研究成果を公表できると予想している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後以下の解析評価を試みることを検討している。 1.FMISO-PETで低酸素所見の有無がFDG-PETでの抗腫瘍効果に影響を与えるかどうかを統計学的に解析する。 2.FMISO-PETで低酸素所見の有無が通常のIMRT終了後の再発に実際に関連するかどうかを統計学的に検証する。 当研究の成果公表の後は、実際に患者への応用を検討する事となる。Dose escalationでどこまで線量を上げるか、どのように照射範囲を決定するか、また患者への安全性をシミュレーションや動物実験などを通して細かく検討・確認し、患者へのDose escalation応用が開始されるよう、研究を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度である程度のデータを蓄積することができたが、まだ目的を達成するには至っていない。 平成26年度も研究に登録する症例をさらに増やし、データ解析のための環境もさらに充実させる必要がある。また学会での研究成果公表や論文作成も予定されている。 平成26年度も対象患者にかかる検査に費用が必要である。またデータ記録・解析のための端末・周辺機器・ソフトウェアも今後必要である。学会での研究成果公表予定や論文作成にかかる費用も必要となる。
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Research Products
(4 results)