2015 Fiscal Year Annual Research Report
子宮・卵巣疾患における非造影灌流MR画像法(ASL法)の開発と臨床応用
Project/Area Number |
25461806
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小坂 信之 福井大学, 医学部, 助教 (60397247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 浩彦 福井大学, 医学部, 教授 (10242596)
黒川 哲司 福井大学, 医学部, 准教授 (60334835)
藤原 康博 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 講師 (90422675)
金本 雅行 福井大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (60730728)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MRI / 子宮 / 腎臓 / 灌流画像 / Arterial spin labeling |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度確立した非造影灌流画像(ASL法)MRI撮像シーケンスを用いて、子宮疾患におけるその臨床的有用性について検討を行った。福井大学倫理審査委員会の承認を得て子宮筋腫、子宮癌など様々な疾患に対して、本法を応用したが、血流の少ない疾患ではまた十分な画質を得ることができなかった。しかし、遺残胎盤・胎盤ポリープのような非常に多血性の病変では、ASL法でその多血部位を非常に明瞭に描出することができ、また治療効果判定も半定量的に行う事ができた。この疾患においては10例にASL法の撮影を行い、他の画像診断(造影dynamic MRI法やドップラー超音波法)との比較において、ほぼ同等の結果を得ることができた。本方法はドップラー超音波法に比べ客観性が高く、造影dynamic MRI法と比べると造影剤未使用である点が有用であると考えられた。ただ、いくつかの症例においては既存の画像診断と異なる結果が得られることもあり、その理由がASL法の技術的なものであるのか、それとも組織血流状態についての異なる情報を表現しているのかについては、今後の検討が必要である。この遺残胎盤・胎盤ポリープを対象とした研究成果は、今年度の第43回日本磁気共鳴医学会大会で発表し、2016年5月の第24回ISMRM(国際MRI学会)年次総にて学会発表を行う予定であり、論文準備中である。また、本研究で開発したASL法の腎臓疾患への臨床応用も本研究の一部として行っているが、健常人においてASL法は正確に腎血流量を計測しうる点、また腎癌において造影dynamic MRIと同様の生体パラメーターを造影剤を使わずに得ることができる点を昨年度までに明らかにしている。これらの得られた成果のうち、健常ボランティアにおけるASL法による腎血流の計測については、今年度に査読のある英文誌に投稿し、掲載が決定している。
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Research Products
(3 results)