2014 Fiscal Year Research-status Report
2管球CTを用いた心筋遅延造影と細胞外液分画の評価法の確立
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25461812
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
北川 覚也 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (50378353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 正樹 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10456741)
中山 良平 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20402688)
佐久間 肇 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60205797)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CT / 心筋線維化 / 心筋細胞外液分画 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. CTによる心筋線維化評価および細胞外液分画定量の実現可能性に関する検討 昨年度に開発した遅延造影CTの撮影法が、従来法と比較してアーチファクトが大幅に減少し心筋CT値の均一性が高く心筋線維化評価に適していることを示す英文論文(J Cardiovasc Comput Tomogr.2014;8:289-98:Impact Factor 4.506)を発表した。本法を用いた心筋細胞外液分画の定量法に関しては、RSNA2014にて発表し、学会賞(Cum Laude)を受賞した。この発表内容については、現在、英文論文の執筆中である。3T MRIによる細胞外液分画との直接比較を行うことができたのは10例程度にとどまっている。
2. 遅延造影撮影プロトコールの低被曝化に関する検討。 現在の遅延造影撮影プロトコールでは、画像ノイズの提言を目的として4回の撮影データの平均化を行うため1.8mSv程度の被曝線量となる。超解像技術を用いることで、平均化を行わずとも心筋線維化の有無と広がりの評価を行えることが、昨年度末から今年度にかけての研究により明らかとなってきた。ただし超解像技術による画質向上にはコンピュータでの数時間に及ぶを画像処理が必要で現時点での臨床応用は難しい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の第一の目標は、新しい遅延造影CT撮影プロトコールに関する英文論文の発表で、これは達成できた。細胞外液分画定量に関する英文論文の執筆も順調に進んでいる。 第二の目標は、検討対象を心筋梗塞だけでなく、心筋症へ拡大し、心筋線維化を描出し、細胞外液分画の変化をとらえられるか検討することであったが、肥大型心筋症2例、拡張型心筋症1例、高血圧心1例において、MRIによる線維化評価、細胞外液分画定量との直接比較を行うことができた。CTとMRIの相関は良好であったが、今後さらに症例を蓄積して検討する必要がある。学習型超解像技術の開発についても、最適なディクショナリの設定に関する検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究により十分に高い画質の遅延造影CTを得ることができており、細胞外液分画も精度よく定量できているようである。今後はMRIによる定量値との比較を心筋症を含めて十分な症例数の蓄積のうえに行っていく必要がある。遅延造影CTのさらなる画質改善や低被曝化に向けた技術開発は今後も引き続き取り組むべき課題である。 また、新しい遅延造影CT撮影法に基づく細胞外液分画定量に関し、まずは正常心筋での検討結果を英文論文として発表し、さらに梗塞心筋でも検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
年度末(2015年3月)に予定していた国際学会出張(ECR2015,Vienna,Austria)に必要と考えていた宿泊費、学会登録費等の出張費用が、招待講演ということで学会から支払われることになったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
負荷薬剤、造影剤等に600,000円。国内外での学会発表と情報収集に700,000円。ポスター印刷と英文構成に150,000円を見込んでいる。繰り越し分については国際学会出張旅費に充当する。
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[Journal Article] Myocardial delayed enhancement with dual-source CT: advantages of targeted spatial frequency filtration and image averaging over half-scan reconstruction.2014
Author(s)
Kurobe Y, Kitagawa K, Ito T, Kurita Y, Shiraishi Y, Nakamori S, Nakajima H, Nagata M, Ishida M, Dohi K, Ito M, Sakuma H.
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Journal Title
J Cardiovasc Comput Tomogr
Volume: 8
Pages: 289-298
DOI
Peer Reviewed
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