2015 Fiscal Year Research-status Report
PETおよびMRIを用いた腫瘍内低血流域の特性評価
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25461822
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巽 光朗 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (60397700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 泰和 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄付講座助教 (60397643)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PET / 腫瘍 / 低血流 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍内部の低血流域はしばしば低酸素域を伴い、抗癌剤や放射線などに対して治療抵抗性を示す。しかし、低血流域での低酸素以外の特性については、少なくとも画像を用いた手法では十分に評価されていない。生体下での低血流域に関する新たな知見は、より良い治療戦略に繋がる可能性があると考えられる。本研究の目的は、腫瘍内低血流域の特性、特に低酸素以外の特性評価を、PETおよびMRIの双方から得た機能・代謝画像により多角的に行うことである。 今年度は、腫瘍内低血流と関連のある腫瘍内FDG集積の不均一性について、昨年度から引き続いて検討した。昨年度は尖度や歪度など、比較的容易に得ることのできる腫瘍内不均一性の指標を用いたが、今年度はそれをさらに発展させ、内部構造の解析法であるテクスチャ解析を用いて検討を行った。テクスチャ指標としては、1次のSUV histogram、2次のspatial gray level dependence matrix (SGLDM) 各種、高次のneighborhood gray-tone difference matrix (NGTDM) 各種を用いた。腫瘍内血流に関しては、MRIとは異なるが、dynamic造影法併用のdual-energy CTから得たヨード造影濃度を指標とした。膵癌24病変における検討では、腫瘍内ヨード造影濃度は腫瘍の体積と逆相関し、様々なテクスチャ指標と関連することが分かった。中でも、SUV histogram variance, SGLDM uniformity, correlation, NGTDM contrast, complexityは強い正(r>0.6)の、SGLDM entropy, homogeneityは強い負(r< -0.6)の相関を示すことが明らかとなった。これらは、SUVと関連のあるテクスチャ指標とは異なっていた。この成果は、2015年の米国核医学会総会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1腫瘍に対して多方面の解析を行って、それらの結果を画素単位で比較する場合、比較そのものが正確に行われているか否かの検証が難しい。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍内部での特性評価を詳細に行い、将来的に治療効果予測や治療戦略に寄与できるような画像情報の取得に努める。 腫瘍内低血流は、様々な新規分子標的薬や免疫薬を用いた治療との関連も注目されるところであり、様々な解析ソフトウェアを利用しながら、その特性に関して新たな知見を得る。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額よりもやや少ない執行額となっている。研究に支障は生じていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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