2015 Fiscal Year Annual Research Report
MDCTを用いた間質リンパ管造影による四肢リンパ管のイメージング
Project/Area Number |
25461824
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 潔 岡山大学, 大学病院, 助教 (10319965)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リンパ管造影 / 間質造影 / 間質リンパ管造影 / 3D-CT / MDCT / CTリンパ管造影 / リンパ浮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
この基盤研究では、MDCTを用いた間質リンパ管造影(CTLG)の手技を確立し、四肢のリンパ浮腫患者のリンパ管の走行を解析し、リンパ浮腫の治療に役立てるために研究を行った。 平成25年度においては安全でリンパ管の描出が良好なヨード造影剤の選択と、造影剤注入から撮影までの最適なタイミングの評価を行うことを目的として研究を行った。イオパミドール(イオパミロン370)を高容量で皮内に注射することで用量依存的にリンパ管を描出させることが可能であった。また造影剤注入から撮影までのタイミングは、個々の症例で異なっており具体的な撮影タイミングを導くことはできなかったが、注入から30分以内に撮影する必要があると考えられた。 平成26年度においては臨床の被検者におけるCTLGによるリンパ管のイメージングについて研究を行った。病院内の臨床研究倫理委員会にて承認されたプロトコルにて同意の得られた四肢のリンパ浮腫患者23例を対象とした。得られた画像所見を3次元的に解析し、excellent、good、fail、poorの4段階に分類した結果、それぞれ3例(11.5%),3例(11.5%),5例(21.7%)、12例(52.2%)であった。イオパミドールの注入部位の違いや、注入から撮影までのタイミングにばらつきがあること、リンパ浮腫がベースにあるため個々のリンパ潅流機能の差異があり,リンパ管の描出具合にばらつきが生じていると考えられた。 平成27年度においては臨床例においてさらに症例数を重ね、合併症とICGリンパ管造影との比較を行った。合併症は11%で見られたが、造影剤注入部位の発赤や嘔気などで、いずれも保存的に軽快した。ICGリンパ管造影検査と比較できたものは11例あり、そのうちリンパ管の走行がマッチした症例は7例(63.6%)であった。 本研究によりMDCTを用いたリンパ管のイメージング方法が検証できた。
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