2013 Fiscal Year Research-status Report
I-123 IMPを用いた分子イメージング手法による眼窩悪性黒色腫診断法の確立
Project/Area Number |
25461832
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
阿部 光一郎 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (00380387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸岡 保博 九州大学, 大学病院, その他 (00637928)
藤田 陽子 九州大学, 大学病院, 助教 (30644760)
吉武 忠正 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40452750)
北村 宜之 九州大学, 大学病院, その他 (70644722)
馬場 眞吾 九州大学, 大学病院, 助教 (80380450)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
磯田 拓郎 九州大学, 大学病院, その他 (90452747)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 眼窩悪性黒色腫 / IMP-SPECT / 診断能 / 放射線治療 |
Research Abstract |
I-123 IMPの眼窩悪性黒色腫診断能と検査施行のための至適条件の検討を行い、過去に報告(Abe K et al. Nucl Med Commun. 2007;28:567-73.)した条件とほぼ同一の結果であることを確認した。48時間後の画像は収集カウントの低下により劣化が見られたが、診断には耐えられる程度であると判断した。IMPの病変への継時的な集積の増加が確認でき、前回報告と同様に24-48時間後の画像を用いた診断能が、より早期の画像を用いたものよりも有用であることが判明した。washout rateについても同様の傾向が確認できた。 次に、この条件を用いて他の画像診断法との診断能の比較を行った。MRIとの診断能の比較では、MRI画像T1およびT2強調画像に比べてIMPシンチの24時間後および48時間後の画像を用いた診断能が優れていることを確認できたが、同一症例でFDG-PETを施行した群は少なく現時点でFDG-PETとIMPシンチとの明らかな差を認めなかった。FDG-PETとの比較については更なる症例の蓄積が必要と思われる。 上記と平行して、放射線治療によるIMP集積の程度を継時的に検討した。サイバーナイフなどの放射線治療を行った悪性黒色腫において、治療前後のIMP集積程度を比較検討した。これまで数例の症例が集積でき、最終的に再発が指摘された症例は見られなかった。治療前のIMP集積が治療後徐々に低下していき、一部では消失したことを確認した。IMP集積は長期にわたり残存するものの、腫瘍の活動性を反映していることが示唆された。パイロットスタディではあるが、この結果を米国核医学会に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
眼窩悪性黒色腫に対するI-123 IMP SPECT検査施行の至適条件決定はほぼ完了し、症例を集積する段階である。シンチ以外の他検査の施行状況については、FDG-PET検査の件数が不足しているもののMRI検査は適時行われている。IMP-SPECT検査の診断能の優位性について少なくともMRI検査との比較は行えると考えられ、論文作成に着手する。 IMP集積の放射線治療前後の推移については、病変への集積が予想以上に長期間持続するため症例の蓄積が不十分である。また、再発症例が1例もないため現時点では集積が長期持続すること以外は言えず、治療効果判定の指標としての評価は難しい。 これまで眼窩悪性黒色腫の放射線治療例は年に1-2例であり治療効果予測の検討は難しいかもしれないが、できるだけ症例を多く集めて検討を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
眼窩悪性黒色腫に対するIMP-SPECT検査の診断能の検討のうち、MRIとの比較についてはほぼまとめる段階となっている。論文作成に着手する。FDG-PETとの比較については更なる症例の蓄積が必要である。一般診療の中で行われるものであり検査件数を増やすことは難しいが、できるだけ依頼科に働きかけていく。 病変へのIMP集積の放射線治療前後の変化を追い治療効果判定に役立たせるためには、まだ数十例の症例が必要と思われる。しかしながら、対象疾患の頻度が少ないこと、および放射線治療を選択する患者が少ないことを考慮すると研究期間中に十分な症例数を確保することは難しい。 診断、治療効果判定両面において、COMS(Collaborative Ocular Melanoma Study、北米で行われた悪性黒色腫の比較試験)分類に沿った病期分類による解析も行っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究対象症例数がなお少なく、検査やデータ検討、解析の費用に余剰が出たため。 研究登録症例数を増加し、また専用の解析ソフトの購入を予定している。
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