2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25461835
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松本 俊郎 大分大学, 医学部, 准教授 (80219500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 宣 大分大学, 医学部, 教授 (20128226)
山田 康成 大分大学, 医学部, 講師 (60244183)
高司 亮 大分大学, 医学部, 助教 (90464453)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 画像診断学(含放射線診断学) / MRI / リンパ管 / 腎臓 / 腎臓癌 / 腎盂腎炎 / 腎不全 |
Research Abstract |
平成25年度は、正常な腎機能と腎実質形状を有するもので、心不全、胸腹水貯留、悪性腫瘍などを除外した37患者(74腎)を対象に、高分解能MRI(3D脂肪抑制heavily T2強調画像)を用いて、正常と思われる腎周囲リンパ網について検討を行った。腎周囲リンパ網は解剖学的構築に従い、①腎筋膜下、②腎被膜周囲、③腎被膜-筋膜間、④腎門部の4領域における分布について検討した。解析は、二人の放射線科専門医の同意によって腎周囲リンパ網の描出能を検討した。その結果、①腎筋膜下では、全例で十分なリンパ網の描出は得られなかった(描出率0%)。②腎被膜周囲では33腎(描出率44.6%:右16、左19)で十分なリンパ網の描出を認めた。そのうち22腎では、腎周囲を取り囲む明瞭なリンパ網の描出が得られた。③腎被膜-筋膜間リンパ網は、26腎(描出率35.1%:右12、左14)で十分な描出を認めた。④腎門部では、全例で腎静脈に伴走するリンパ網が明瞭に描出された(描出率100%)。正常な状態では腎実質から腎門部へ向かうリンパ流が主経路と考えられ、したがって腎筋膜下では0%、腎門部では100%とリンパ網の描出率に圧倒的差異じたものと思われた。おそらく、腎筋膜下リンパ網は正常状態では虚脱しており、腎門部リンパ流の障害が生じた時に拡張してくるものと推測された。 平成26年度は正常例の追加に加え、浸潤性腎腫瘍や非腫瘍性腎疾患患者(腎盂腎炎、糖尿病性腎症など)を対象に、同様な条件での高分解能MRIを撮像し、正常と病的状態における腎周囲リンパ網を比較検討することで、本研究の臨床的意義が明らかにして行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正常対象例から、腎実質の形状異常、心不全、胸腹水貯留、悪性腫瘍などを完全に除外したことで、正常対象数が平成25年度の予定(100名)の半分程度に留まった。しかしながら、正常患者37名を対象に初期検討を行い、興味ある知見が得られたので、本研究成果を平成26年4月の日本医学放射線学会総会で報告することができた。病的状態は、現在10名程度にしか高分解能MRI撮像を行っていないが、今後協力講座との連携を深め、対象数を増やしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
高分解能MRI(3D脂肪抑制heavily T2強調画像)撮像に時間を要するため、浸潤性腎腫瘍などの造影剤を使用してのダイナミック撮像との併用では、検査枠を2コマ確保する必要が生じている。その点を、現場での調整を図る必要性があり、MRI担当の放射線技師と話し合って、対策を講じる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に購入予定だった端末・ソフトウェアの購入を次年度購入へ変更をした。 購入を延期した端末・ソフトウェアの購入に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)