2015 Fiscal Year Research-status Report
センチネルリンパ節シンチグラフィにおけるSPECT画像の補正に関する研究
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25461837
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
對間 博之 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (60615483)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | センチネルリンパ節 / SPECT / 散乱補正 / 減弱補正 / 空間分解能補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
センチネルリンパ節(Sentinel lympha node:SLN)シンチグラフィの撮像法に関する標準化は,他の核医学検査に比べ進んでいない.また,検査手技自身の施設間差も大きく,撮像,画像再構成,画像補正などについても様々である. 平成27年度は,平成26年度に改良した「SPECT用SLN評価ファントム」を用いて,乳がん患者を模した設定にてSPECT装置およびSPECT/CT装置にて実験を行った. その結果,SPECT装置での実験においては,特に空間分解能補正についてその特徴を明らかにすることができた.空間分解能補正では,特に淡い集積のSLNの描出が向上し,見落としが減ることが分かった.反面,偽陽性の発現も増えるがリンパ節の検出率を優先する本検査では,空間分解能補正を使用するほうが良いと考える.ただし,腫瘍に近い位置においては,腫瘍の残存放射能の影響のため,空間分解能補正を行うことで,コントラストが低下し,却って見落としの可能性が高くなる現象が見られたため,空間分解の補正の強度について,検討の余地があることが分かった. 一方,SPECT/CT装置での実験ではデータ解析が未完のため,引き続き解析を行う必要があり,CT画像による各種補正についての検討は不十分である. また,腹部骨盤疾患における腹部リンパ節を模した設定での実験については,実験が不十分であったため,平成28年度に補助事業期間を延長となった. 今年度は,腹部リンパ節を模した設定において,実験を繰り返すとともに,乳がん患者のデータについてもさらに解析を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
乳がんを模したファントム実験を行ったが,ファントムの設定が適切でなかったのでやり直しとなった.また,得られた実験データが膨大で解析に時間を要している. また,腹部リンパ節を模した実験についても,ファントムの軽微な改良が必要であるため早期に実験ができるよう現在,改良および準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,ファントムの改良を加え,腹部リンパ節を対象とした設定にて,SPECTおよびSPECT/CT装置での実験を行う. また,実験時間を短縮するための追加のファントムや解析ツールの購入を行い,研究の効率化をさらに図る.
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Causes of Carryover |
研究の進捗の遅れに伴い,実験に使用する機材の物品費が未支出となった.また,成果発表のための旅費の支出が当初予定より少なくなったため次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は,早期に実験を行い,その実験や解析に必要な物品について適切に支出する.また,国際学会および国内学会における成果発表のための費用に使用する予定である. さらに,論文投稿や特許出願に必要な経費としても使用する計画である.
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