2016 Fiscal Year Annual Research Report
Differentiated imaging of microstructures in brain tumors using phase difference enhanced imaging (PADRE) by high magnetic field MRI system
Project/Area Number |
25461843
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
坂本 真一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40464648)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 哲也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)
三木 幸雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80303824)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | PADRE / 位相画像 / 脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍内部微細構造の分離画像化を実現するために、手術目的で入院となった脳腫瘍術前の連続60症例に対して、臨床用高磁場MRI装置(Philips Achieva 3.0T Quasar Dual)を用いた画像検査を施行した。通常のT1強調像、T2強調像、拡散強調像、造影T1強調像に追加して、我々が独自に開発した位相差強調画像 (phase difference enhanced imaging: PADRE) (米田哲也, Routine Clinical MRI 2013 Book)を撮影した。得られたPADRE raw dataに対して、血管および髄鞘に特異的な位相フィルタを選択して適応することにより、脳内の血管構造、白質線維(髄鞘)を強調した画像を取得した。さらに、脳腫瘍と周囲の微細血管および大脳白質線維の関係の視覚的評価のために、血管強調画像、髄鞘強調画像をSPM (statistical parametric mapping)を用いて、同一のMRI画像上にcolor map表示した。 60例の脳腫瘍のうち、WHO gradingで分類した神経膠腫、および転移性脳腫瘍に分類して、脳腫瘍が周囲血管および大脳白質線維に及ぼす影響を視覚的に評価して、統計学的解析を行った。解析の結果は、悪性度の高い神経膠腫(WHO grade Ⅲ-Ⅳ)では大脳白質線維の描出が不明瞭となる傾向が認められ、腫瘍組織の脳内浸潤による髄鞘の破壊が示唆された。一方、悪性度の低い神経膠腫(WHO grade Ⅱ)および転移性脳腫瘍においては、大脳白質線維の描出は保たれる傾向が認められた。また血管構造に関しては、悪性度の高い神経膠腫(WHO grade Ⅲ-Ⅳ)では、腫瘍の栄養血管あるいは流出静脈と考えられる微細血管が多く認められる傾向が示された。
|